I. はじめに:自治体営業(BtoG)における新規開拓の特殊性と難しさ

自治体(BtoG:Business to Government)市場は、安定した予算と巨大な市場規模を持つ魅力的な領域です。しかし、一般企業相手のBtoB営業とは全く異なる特殊なルールと難易度の高さが存在します。
多くの企業が、その特殊性を理解しないまま参入し、以下の壁に直面して撤退を余儀なくされています。
- 決裁プロセスの複雑性: 担当課、係長、課長、部長、議会など、複数の決裁レイヤーが存在し、リードタイム(契約までの期間)が異常に長い 。
- 「年度予算」の縛り: 契約時期が年度末や新年度の予算編成サイクルに厳しく縛られ、アプローチのタイミングを誤ると1年間の機会を失う 。
- 受付ブロックの壁: 営業電話に対する警戒心が強く、担当課のキーマンにたどり着くことすら難しい。
私たち株式会社スリーグッドは、この難攻不落の自治体市場において、人流ビッグデータ分析サービスやキャッシュレス決済端末、研修サービスといった多岐にわたる商材で、高いアポイント率(最高7.0%超)と継続的な受注を実現してきました 。
その成功の鍵は、行政特有の課題を熟知した戦略的なABMアプローチと、その実行を支える固定報酬による安定した仕組み化です。
本記事は、「自治体向け 営業代行」を検討されている企業の皆様に向け、弊社の豊富な実績とノウハウを基に、BtoG市場で継続的な成果を出すための完全な戦略と実行プロセスを全20,000字で詳細に解説します。
II. 自治体営業(BtoG)の特殊な環境と乗り越えるべき3つの壁

自治体営業の成功には、民間企業とは異なる特有の構造と心理を理解し、それに合わせた戦略を構築する必要があります。
課題1:決裁の「多層構造」とリードタイムの長期化
行政組織では、担当職員の「良い」という判断が、直接契約に結びつくことはありません。
- 複雑な合議制: 担当課、財政課、情報システム部門、そして最終的な首長や議会など、複数の部署や機関の承認が必要な多層的な合議制が敷かれています 。
- 長期的な計画: 契約までのリードタイムは民間企業よりも遥かに長く、1年〜数年単位の計画が必要です 。このため、短期的な成果を追う成果報酬型の代行では対応が困難となります。
- リスク回避の心理: 公共性が高いため、前例のないサービスやシステム導入に対しては、民間以上にリスク回避の心理が強く働きます。
課題2:年度予算サイクルに縛られるアプローチのタイミング
自治体の予算は、年度で厳密に区切られています。アプローチのタイミングを誤ると、商材がどんなに優れていても「今年は予算がない」の一言で終わってしまいます 。
- 予算編成サイクルの把握: サービス導入を検討する時期(情報収集・企画立案)、予算要求が固まる時期、そして予算が執行される時期を正確に把握し、最適な時期に最適な部署へアプローチする必要があります 。
- 発注者側の課題: 予算が年度末に余っても使い切らなければならず、予算が不足しても追加が難しいという特殊な事情を理解し、これに合わせた提案が必要です。
課題3:高い「受付ブロック」とキーマン接触の困難さ
営業電話に対する警戒心は、一般企業よりも行政機関の方が高い傾向があります。
- 担当課の特定困難: 「防災課」「土木課」「企画課」「観光課」など、商材の導入部門が多岐にわたるため、まず正しい部署にたどり着くことが大きな壁となります 。
- ネームド情報の不足: 担当者の役職や氏名(ネームド情報)が外部に出にくいため、民間企業で行うようなSFA/CRM連携によるネームドアプローチが困難です 。
III. 営業代行の料金体系とBtoG市場の最適解
自治体営業の特殊な環境を考慮すると、BtoB営業でさえリスクの高い成果報酬型は、BtoG市場ではさらに機能しづらくなります。
1. BtoG市場で成果報酬型が機能しない論理的理由
- 長すぎるリードタイム: 受注までに1年近くかかる案件が多いため、代行会社側は、先行投資コストを回収できる見込みが非常に低くなり、積極的に動けなくなります 。
- 質疑応答の工数: 行政特有の厳しい質疑応答や、資料作成・制度設計に関する非効率な工数が発生しやすく、成果報酬では代行会社が赤字になるリスクが極めて高いです。
- 提案内容の秘匿性: 予算獲得のための企画書や提案書が外部に出ることを極度に嫌うため、成果報酬型で求められる「契約締結までの透明性」が維持しにくいです。
2. 自治体営業の最適解:固定報酬による戦略的投資
自治体営業の成功に必要な「長期的な追客」「高度なリスト戦略」「安定した品質」は、すべて固定報酬によって担保されます。
- 戦略の安定性: 固定報酬は、年度予算サイクルに合わせた先行的な戦略策定(情報収集やリストの最適化)を可能にします。
- ノウハウの維持: 行政向けアプローチ経験者などのハイレベルな専門人材を継続的にアサインし、ノウハウが失われるのを防ぎます 。
3. 【スリーグッド式】ハイブリッド料金による費用対効果の明確化
スリーグッドは、自治体向け新規事業において、固定報酬の安定性と成果へのコミットメントを両立させるハイブリッド料金体系を採用する場合があります 。
- 料金シミュレーション(YouTubeライブカメラ配信サービス事例):
- 固定費(人件費): 240,000円(100h稼働)
- 成果報酬: 5,000円/件(アポ50件の場合250,000円)
- CPA(アポイント獲得単価): 9,800円
- 優位性: 安定的な稼働を担保しつつ、CPAを明確にすることで、行政が重視する「費用対効果(ROI)」を可視化し、高い評価を得ています 。
IV. スリーグッドの提供価値:行政特化型ABM戦略の全貌

株式会社スリーグッドは、行政特有の壁を突破するために、以下の3つの柱からなる行政特化型ABM戦略を実行します。
1. BtoG攻略のための「独自リスト戦略」と実行力
自治体営業で最も重要な「誰に話すか」を、独自のリスト戦略で明確にします。
① 部署直通番号リストとネームドアプローチの活用
- 受付ブロック回避: 代表電話を突破できない課題に対し、部署直通番号リストの活用は不可欠です 。弊社では、このリストの活用により、担当者接触率を大幅に高め、効率的なアポイント獲得を実現しています 。
- ネームド特定: WEB検索や外部情報を活用し、担当窓口の部署番号だけでなく、担当者名(ネームド情報)を特定することで、担当者への取次率をさらに向上させます 。
② ローラー作戦と横展開ノウハウ
- 効率的な地域開拓: キャッシュレス決済端末の支援事例では、アポイントを獲得した情報をフル活用し、近隣の市役所、県庁に訴求するローラー作戦を実行しました 。
- 共通課題の訴求: 同様の課題(例:キャッシュレス化の遅れ、防災カメラの設置)を抱えているケースが多いため、アポイントを獲得した情報を横展開することで、次々とアポイントにつながりやすい傾向があります 。
③ ターゲット課の明確化
商材ごとにターゲットとする行政部署を明確化し、リソースを集中します 。
- 観光PR系: 観光課、地域振興課 。
- インフラ/防災系: 土木課、防災課 。
- 研修/健康系: 人事課、総務課。
2. 多面的な価値訴求と「未来の課題」への転換
自治体営業では、商材の機能だけでなく、「行政としてそれを導入する意義」が問われます。
① 二面効果の訴求(運用効率化 vs PR/集客)
YouTubeライブカメラ配信サービスのような商材では、以下の二面効果を明確に訴求します 。
- 内向き(運用)効果: 遠隔監視による見回り・出動の削減、URL共有による初動の迅速化(土木課・防災課向け) 。
- 外向き(PR)効果: ライブ映像の信頼性と拡散性を活かした観光PR(観光課・地域振興課向け) 。
② 「未来の課題」への訴求転換
担当者が「現状困っていない」と回答した場合でも、「来年度以降のDX推進義務化」や「議会報告での数値根拠の必要性」といった未来の課題に訴求点を転換することで、興味喚起を促進します 。
3. 実行体制と行政特化のディレクション
- 専門人材のアサイン: 行政、宿泊施設、飲食アプローチ支援実績が豊富なディレクターや営業担当を専属で固定アサインします 。
- PMF型ディレクションの適用: 顧客ニーズや要望、NG理由をデータのエビデンスに基づき分析し、トークスクリプトのズレをブラッシュアップすることで、3ヶ月での勝ちパターン確立を目指します 。
V. BtoG市場で成果を出す「実行ノウハウ」の全貌

自治体営業の成功は、ひとえに「長期の追客」「精度の高い分析」「適切なタイミング」の3要素にかかっています。固定報酬型の安定した体制だからこそ、以下のノウハウを実行できます。
1. リードタイムの長さを克服する「リードナーチャリング」の徹底
自治体は契約までのリードタイムが長いため、リードナーチャリング(見込み客育成)が不可欠です 。
- ステータス別のシナリオ策定: リードの温度感に応じてステータス(検討中、予算時期待ちなど)に分類し、再架電時期の設定や再架電時の訴求内容の変更を体系化します 。
- マルチチャネルでの追客: テレアポのみでアプローチが難しい場合、資料送付後のメール営業などを組み合わせて顧客フォローを実施します 。
- 追客による成果: 人流ビッグデータ分析サービスの事例では、資料送付のうち約30%が追いかけからアポイント獲得に至るなど、粘り強い追客が成果に直結しています 。
2. フォーム営業併用による「担当者接触率の飛躍的向上」
行政の受付ブロックを回避し、担当者接触率を高めるために、メールフォームとアウトバウンドコールを組み合わせたマルチアプローチは非常に有効です。
- 不信感の払拭: 事前に情報を伝えた上でのコールとなるため、架電時の不信感の払拭ができ、「聞く姿勢」を持ってもらいやすくなります 。
- 取次率UP: 受付から担当者への情報伝達が行われるため、受付突破率や担当責任者・代表取締役への取次率が向上します 。
- データ実証: コールのみのアプローチと比較し、フォーム+コールを併用することで、担当者接触率が1.2〜2.0倍UPするという実績データがあります 。
3. 営業活動をブラックボックス化させない「透明性」
固定報酬型の契約において、スリーグッドは以下の報告体制により、営業活動の透明性を徹底します 。
- 日次報告: コール数、アポ数、アポ率、担当者接触率に加え、商談議事録など、稼働内容を日々共有します 。
- 週次定例MTG: 稼働進捗報告、お客様の「生の声」(定性分析)、課題、改善施策、そして戦略立案をレポート形式で報告します 。
- 音声ログの共有: コール結果は全て録音しており、必要に応じてテレアポ音声ログを共有することで、貴社側でもトーク戦略を把握・活用できます 。
VI. スリーグッドのBtoG支援実績:高アポ率を実現した具体的な事例
スリーグッドは、行政機関や公共性の高い機関へのアプローチにおいて、その専門性の高さから高いアポ率と継続的な受注を実現しています。
事例1:人流ビッグデータ分析サービス(アポ率7.0%の達成)
- ターゲット: 自治体(市役所、県庁、観光課、企画課) 。
- 課題: 議会報告の数値根拠の不足、来年度のDX推進の義務化への対応 。
- 戦略: 「議会報告で数値根拠を求められている自治体」や「今後の補助金活用を検討している先」にフォーカスし、未来の課題訴求に転換 。
- 成果: 架電アポ率 7.0%(着電アポ率 38%)という極めて高い数値を達成 。資料送付後の追いかけからアポイント獲得に至ったリードが約30% 。
事例2:キャッシュレス決済端末・POSレジ(アポ率6.2%で安定供給)
- ターゲット: 官公庁、美術館、博物館、大学、教育機関、警察署 。
- 課題: 他社代行でアポイントが期待通り取れず苦戦 。
- 戦略: 部署直通番号リストの活用とネームド情報のWEB検索により、担当者接触率を高める 。さらに、アポイント獲得情報を近隣の自治体に訴求するローラー作戦を実行 。
- 成果: アポイント率 6.2%を達成し、毎月50件以上のアポイント獲得を半年以上安定して継続 。
事例3:コンプライアンス研修サービス(行政機関向け)
- ターゲット: 県庁、市役所向け 。
- 戦略: ターゲットごとにトーク訴求内容を変更し、適切なコミュニケーションを実施。リードナーチャリングを徹底し、テレアポのみで厳しい場合はメール営業も併用 。
- 成果: 架電アポ率 3.5%を達成。リードタイムが長い行政機関において、粘り強い追客でリード獲得に成功 。
VII. 行政分野の課題を熟知した営業パートナー

自治体営業(BtoG)は、高い専門性と長期的なコミットメントを要する、難易度の高い市場です。短期的な成果報酬型の安易なアプローチは、貴社の時間と機会を浪費させ、成功には結びつきません。
株式会社スリーグッドは、行政分野での豊富な実績とノウハウを基に、以下の価値を提供することで、貴社のBtoG市場での成功を確実なものにします。
- 固定報酬による安定的なリソースの確保と仕組みへの先行投資。
- 部署直通番号リストとローラー作戦による効率的なキーマン接触。
- PMF型ディレクションと定性分析による戦略の継続的な改善。
行政特有の課題を熟知し、リスク回避と高ROIを実現する営業パートナーをお探しの際は、ぜひ一度、株式会社スリーグッドにご相談ください。