「プロダクトは完成したのに、自治体への接点づくりが進まない」

生成AIや業務DXを活用した新サービスを、全国の自治体へ横展開しようとしている企業の担当者から、こんな声をよく聞きます。
「自治体にメールを送っても返信がなく、代表電話から担当部署まで届かない」
「テレアポで担当者と話せても、ニーズがあるのか予算があるのか、商談の場に出るまでわからない」
「社内の営業部隊はいるが、見込みのない先に架電し続けて疲弊している」
自治体(BtoG)向けのDX・AIサービス販売には、民間企業向けとはまったく異なる難しさがあります。特に「全国の自治体にスピード感を持って横展開したい」という局面では、社内リソースだけで新規接点を作り続けることに限界を感じる企業が多くいます。
本記事では、自治体向けDX・AIサービスをテレアポで効率よく展開するための戦略を、ターゲット設計・リスト精査・トーク設計・アポ後フォローまで一気通貫で解説します。
なぜ自治体DX展開にテレアポが最も有効なのか

自治体への新規接触手段としては、メール・DM・展示会・紹介など様々な方法があります。その中でテレアポが特に有効な理由は、スピードと課題顕在化の同時実現にあります。
メールやDMは届いても読まれない・返信がないケースが多く、展示会は時期が限られます。一方、テレアポは電話→資料送付→追客という流れで、相手の反応をリアルタイムで確認しながら商談化まで最短距離で進められます。
自治体DXサービスのような商材では、担当者が課題を持っていても「それが解決できるサービスが存在する」という認識に至るまでに時間がかかります。テレアポの対話型アプローチは、この認識ギャップを一回の電話で縮められるという点で、他の手段と一線を画します。
また、自治体の場合、DXサービスの導入検討には現場層(担当職員)・決裁層(課長・部長)・横断層(DX推進課)という多層の関係者が関わります。テレアポは現場担当者との初接触から課長の同席獲得まで、一本の電話でコントロールできる唯一のアプローチ手段です。
DX・AI系商材こそ「ABM型アプローチ」が必須な理由

自治体営業には大きく2つのアプローチがあります。「ローラー型(量的アプローチ)」と「ABM型(アカウントベーストマーケティング)」です。この使い分けは、商材の性質によって決まります。
ローラー型が通じる商材
キャッシュレス決済端末や汎用的な行政システムのように、全国の自治体にほぼ共通のニーズがある商材は、架電数を増やすローラー型でも一定の成果が出ます。「数を当てれば確率で獲れる」という構造が成立しているためです。
DX・AI系サービスはローラー型では通じない
一方、面談業務を生成AIで支援するサービスや、業務プロセスの自動化ツールのようなDX系商材は、自治体ごとに状況がまったく異なります。
・DX予算が組まれているかどうか(予算化の有無)
・現場に課題が顕在化しているか(担当者の問題意識)
・競合ツールがすでに導入済みかどうか(競合状況)
・人員体制の逼迫度(緊急度)
これらの要素が自治体ごとにバラバラであるため、手当たり次第に架電しても「ニーズがない先」「予算が組まれていない先」ばかりにアプローチし続けることになります。
商談の場に出て初めてニーズがわかる——この状況を繰り返していては、いつまでも営業のスピードは上がりません。架電数を増やすのではなく、「ニーズがある先だけ」を事前に特定してから架電する発想転換が、DX系商材の自治体開拓には不可欠です。
自治体DX展開のターゲット設計:どこから始めるか

自治体向けDX展開では、まず「どの自治体を狙うか」というターゲット設計が成果を左右します。
母集団を絞り込む
たとえば、福祉・生活保護現場の面談業務を自動化するDXサービスであれば、全国の福祉事務所設置自治体(約900〜1,000)が対象母集団になります。ただし、人口5〜30万の一般市・中核市に絞ると、優先アプローチ先は約500〜600自治体に絞れます。
政令市は意思決定が複雑すぎてテレアポとの相性が悪く、小規模自治体はそもそも予算規模が合わないケースが多いためです。母集団を適切に絞り込んでおくことで、架電リソースを最も効果が出やすいターゲットに集中できます。
意思決定構造を理解する
自治体DXサービスの導入検討には、以下の3層が関わります。
・現場層:担当職員・係長(課題の当事者・ニーズの発信源)
・決裁層:課長・部長(予算・効果・セキュリティで判断するキーマン)
・横断層:DX推進課・情報政策課(全庁の生成AI・DX方針を握る)
テレアポのゴールは「現場担当者への接触」だけに留めず、「課長の同席アポを取り付けること」まで設定しておくことが重要です。現場担当者だけの商談では予算の意思決定が進みにくく、決裁ラインを最初から巻き込んだ商談設計が必要です。
議事録ABMによるリスト精査:架電前に「勝てる先」を見極める

DX系商材の自治体開拓において最も重要なのが、議会議事録を活用したリスト精査(議事録ABM)です。
全国すべての市区町村は、議会が開催されるたびに議事録を作成・公開しています。この議事録には、各自治体が今まさに議論している課題が、生の言葉で記録されています。
民間企業への営業では、相手の内部課題を架電前に知る術がほとんどありません。しかし自治体は課題を公開の場で議論するため、「この自治体には今、この課題がある」を架電前に確認できるという他にはない優位性があります。
3段階フィルタによるリスト精査
フィルタ①:母集団の機械的抽出
商材の対象となる自治体を、人口規模・財政規模・管轄業務などの条件で機械的に絞り込みます。
フィルタ②:人手不足・ニーズシグナルの確認
担当職員の採用募集・公募の有無を確認します。「募集中=人手が足りない=DX・効率化ツールへの需要がある」というシグナルとして活用します。この情報は各自治体HPや採用情報サイトから取得できます。
フィルタ③:議事録による裏取り
各自治体の議会会議録を、関連キーワードで検索します。「職員不足」「面談記録の負担」「業務効率化」「DX計画」などのワードがヒットした自治体は、ニーズが顕在化していると判断できます。
スコアリングで優先度を数値化する
精査した情報を3軸でスコアリングし、優先度(S/A/B/C)を決定します。
| 軸 | 満点 | 評価内容 |
|---|---|---|
| ニーズ | 5点 | 議会・監査・報道で課題が議論されているか |
| タイミング | 5点 | 予算化・システム更新・DX計画など「今動く」兆候があるか |
| 競合・逆風 | 5点 | すでにAI・DXが導入済みか(高いほど逆風=差別化トークに切替) |
合計スコア(最大15点)により優先度をS/A/B/Cに分類し、アプローチ順序を決定します。
精査サンプル(実例):
| 自治体 | 議事録・公開情報の内容 | 判定 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 寝屋川市 | 「職員不足が喫緊の課題」「窓口対応・訪問体制の充実を求める」旨の質疑が議会に記載 | ニーズ高・競合AI空白 | S(最優先) |
| 門真市 | 生活保護費割合が一般市で全国最大。専用行政対策本部を設置 | ニーズ高・競合AI空白 | S(最優先) |
| 豊中市 | 担当職員1人あたり188世帯・監査で訪問活動不足の指摘 | ニーズ明確 | A(有望) |
| 奈良市 | DX先行導入済み。ただし訪問面談その場の記録支援は未着手 | 差別化トークで対応 | C(差別化) |
この精査により、「架電数は少なくとも、成果につながる確率が高い」アプローチが実現します。
テレアポでの課題顕在化:売り込まずに課題に気づかせる
ターゲットリストが完成したら、次はトーク設計です。自治体のDX担当者・現場職員に効果的なのが、課題顕在化型のアプローチです。
「新しいシステムのご案内です」という売り込み型のトークは、自治体の担当者には響きません。担当者自身が日常的に感じている課題を引き出し、「まさにそれが解決できる」という流れに自然につなげることが重要です。
DX系商材向けトーク設計の例
たとえば、面談業務の自動記録・レポート生成を支援するAIサービスの場合、以下のような流れが有効です。
状況質問(S):現状把握
「担当者の皆様の面談記録や業務報告書の作成は、現在どのように進めておられますか?」
問題質問(P):課題の確認
「限られた人員で記録を手作業でまとめるのは、残業や聞き漏れにつながりやすいですよね。」
示唆質問(I):リスクの認識
「そのまま続くと、新任職員の対応品質にばらつきが出て、住民サービスの質にも影響が出てきますよね。」
解決質問(N):理想の状態を描かせる
「もし面談の文字起こしから報告書案の作成まで自動化されたら、担当者の働き方は変わると思いますか?」
この流れを経て「実は、報告書作成を約60%削減できる仕組みがございまして」と提案につなげることで、担当者NGで終わらせず自然な形でアポイントに誘導できます。
クロージングで課長の同席を取り付ける
アポの質を高めるために、クロージング時に課長の同席を自然に求めることが重要です。
「一度30分ほど、○○市の状況に合わせたご提案をさせていただけませんか。課長様にもご同席いただけると、より具体的なお話ができます。」
このひと言で、現場担当者だけの商談から、決裁ラインを含めた質の高い商談に引き上げることができます。
アポ獲得後:一次商談代行・ナーチャリングで商談化率を高める

自治体DXサービスの場合、アポを取っただけでは商談が進みにくいケースがあります。議事録精査で得た情報や架電での温度感を、商談前にしっかり引き継ぐことが成約率に直結します。
事前情報の引き継ぎ
テレアポで得た課題・温度感・キーマン情報・議事録の精査結果を、商談前にシートで引き継ぎます。これにより、クライアントは準備ゼロで商談に臨める状態が作れます。
今すぐでない先のナーチャリング
「今は予算がない」「来年度以降に検討したい」という自治体は、NGとして処理するのではなく、温度感別に分類してナーチャリング(育成)を続けます。
- 高温度先:1〜2週間以内に再架電・資料送付
- 中温度先:予算要求時期(8〜9月)に合わせて再接触
- 低温度先:次年度の議会動向を確認しながらフォロー
予算化のタイミングで商談化できるよう、継続的に関係を維持し続けることが、自治体DX営業における成約の鍵です。
費用感とプランの目安
自治体向けDXサービスのテレアポ代行を活用する際の費用感は、以下の構成が一般的です。
費用構造: 稼働時間 × 時間単価 + ディレクション費(月額固定)
| プラン | 月間稼働 | 想定アポ数 | 月額(税別)目安 | CPA目安 |
|---|---|---|---|---|
| スモール(検証用) | 40h | 月11〜12件 | 約23万円〜 | 約2.0万円 |
| スタンダード(主力) | 60h | 月17件 | 約32万円〜 | 約1.8万円 |
| プレミアム(本格展開) | 80h | 月23件 | 約40万円〜 | 約1.8万円 |
全プランにトークスクリプト作成・修正、リスト精査・情報補完、週次定例MTG、ディレクション費が含まれます。1ヶ月からのスモールスタートが可能で、成果を確認しながら段階的に拡大できます。
一次商談代行(1件あたり1万円)やナーチャリング(実稼働×時間単価)をオプションで追加すれば、アポ獲得から商談化まで一気通貫で依頼することも可能です。
6ヶ月間の稼働イメージ
初期はプレミアムプランで立ち上げ、成果が出始めたら稼働を段階的に縮小しつつ質を維持していく進め方が一般的です。たとえば6ヶ月300時間の稼働で、累計約2,400件の架電・約86件のアポ獲得が見込めます(アポ率12%・担当者接触率30%の前提)。
よくある質問(FAQ)
- 自治体のDX予算はどう読めばいいですか?
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自治体のDX予算は、議会の予算審議(2〜3月)と予算要求(8〜9月)のタイミングを中心に動きます。議事録や市長発言、DX推進計画の公開資料から「今年度予算化されているか」「来年度計画に盛り込まれているか」を読み取ることが重要です。この情報をもとにアプローチのタイミングを設計することで、「予算がない」というNGを事前に減らすことができます。
- 競合サービスがすでに導入されている自治体はどう対応しますか?
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競合導入済みの自治体を即NGとして外す必要はありません。既存ツールがカバーしていない業務範囲(例:訪問時の面談記録、特定業務のレポート自動化など)に絞った提案に切り替えることで、競合導入済みの自治体でも新たな商談機会を創出できます。議事録精査の段階でこの情報を取得しておくことで、差別化トークを事前に設計できます。
- 自治体担当者は2〜3年で異動しますが、どう対処しますか?
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自治体の担当者は2〜3年サイクルで異動します。前任者と進めていた商談がリセットされるリスクを最小化するために、課長・関係課など複数キーマンとの接点を早期に作っておくことが重要です。テレアポの段階から「課長の同席」を意識したアプローチを設計することで、担当者交代の影響を軽減できます。
- 稼働開始まで、どのくらい時間がかかりますか?
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発注後、キックオフMTG(1週間以内)→準備期間(リスト作成・スクリプト作成・システム設定)を経て、最短1〜2週間での稼働開始が可能です。準備完了後は即座に週次PDCAサイクルをスタートし、市場の反応をもとに継続的な改善を行います。
自治体向けDXサービスの新規開拓ならスリーグッドへお任せください

自治体向けDX・AIサービスの全国展開は、「どこに・何を・どのタイミングで」アプローチするかの設計が、成果を大きく左右します。
議事録ABMによるリスト精査・課題顕在化型のトーク設計・週次PDCAによる継続改善——この3つが揃って初めて、スピード感のある商談創出が実現します。やみくもに架電数を積み上げるのではなく、「当たる先を選んでから、刺さるトークで、データを見ながら改善し続ける」体制があって初めて、自治体への安定した商談機会の創出が可能になります。
「全国の自治体にサービスを広げたいが、社内だけでは限界を感じている」という企業様は、ぜひスリーグッドへお気軽にお問い合わせください。貴社の商材と状況に合わせた最適なアプローチ戦略をご提案いたします。

