プラットフォームの営業は、決裁者に直接話せる代わりに、その決裁者が電話に出ません
スリーグッドは、ECモールの出店企業獲得、仕入れサイトの出展ブランド獲得、高級弁当の加盟店開拓、ピラティススタジオのフランチャイズ加盟オーナー開拓など、「プラットフォームに出したい事業者」を集める営業を担当してきました。BtoBの営業代行の中では成果が件数で見えやすい領域で、その分、電話のつながりにくさとの戦いになります。
数字で見る
- 約5週間で架電2,164件、アポイント47件、商談化率95%(ECモール出店事業者の獲得)
- 着電率20.8%、着電アポイント率25%(フランチャイズ加盟オーナー開拓。問い合わせ済みリードへの架電)
- 獲得アポイントの6割が「物件や区画を持っている」ことが起点(同案件)
進め方の要点
- 飲食店は開店前と中休み、EC事業者は午前、個人携帯宛は夕方以降と、事業者の種類で架電時間帯を変えます
- 「出店しませんか」ではなく「今の販路で売上は伸びていますか」から入ります
- 情報収集だけのアポイントを送るか、出店意向を確認できた相手だけを送るかを、最初にプラットフォーム側と決めます

プラットフォームの営業は、売る相手が企業の一部門ではなく、事業者そのものです。楽天やYahooに出店している事業者、地方の食品メーカー、飲食店のオーナー、これから開業する個人。決裁者に直接話せる代わりに、その決裁者が日中は現場にいて電話に出ません。
もう一つの特徴は、相手が「出しても売れないのでは」を先に考えることです。手数料はいくらか、うちの商品は売れるのか、今の販路と何が違うのか。プラットフォーム側の集客力や手数料の説明だけでは動きません。
このページでは、プラットフォームの出店企業獲得と加盟店開拓で実際に起きたことと、スリーグッドの進め方をまとめています。案件はすべて社名を伏せ、商材と数字だけを書いています。
プラットフォーム営業がうまくいかない理由
決裁者が電話に出ない
飲食店なら仕込みと営業時間、EC事業者なら出荷の時間帯、個人事業主なら現場作業中。ECモール出店者への架電では、呼出音のまま終わるのが全体の35%、決裁者不在が22%、受付NGが15%で、半分以上が「話す前に終わる」状態でした。フランチャイズ加盟オーナーの開拓では、相手が個人携帯なので呼出音が72%に達しました。着電すれば15〜25%がアポイントになるので、いかに着電させるかが勝負になります。
「出しても売れないのでは」で止まる
すでに他のモールに出している事業者は、新しい販路に対して「手数料はいくらか」「うちの商品は売れるのか」を先に考えます。ECモール出店者の開拓では、「今はアマゾンと楽天に注力していて販路を増やす予定はない。ランニングコストがかからなくても検討しない」という断りが典型でした。今の販路で売上が伸びているか、伸びていないなら何が原因かを聞くところから入る必要があります。
問い合わせリードの鮮度が落ちている
資料請求や問い合わせをした事業者に後から電話をかける場合、時間が経つほど「もう他で決めた」「情報収集はやめた」が増えます。フランチャイズ加盟オーナーの開拓では、問い合わせ済みリードへの架電で、断り10件のうち、すでに他社FCに加盟済み・自社運営に切り替え・撤退が決まった、が3件。問い合わせ自体が間違いや番号不備だったものが3件。リスト起因の断りが6割を占めました。
プラットフォーム側が決めたKPIが、現場と合わない
ECモール出店者の開拓では、プラットフォーム側から「着電率20%、着電アポイント率25%」というKPIと、「ヒアリングシートをメールで送る」「商談前にリマインドメールを送る」という施策の提示がありました。架電効率と着電アポイント率の相関を計算したうえで、その施策ではKPIに届かないこと、リマインドメールは月5〜10時間の工数になりアポイント数を削ることを数字で示し、施策を見直しました。プラットフォーム側の営業設計と、電話の現場の数字は、すり合わせないとずれます。
スリーグッドの進め方
1. 事業者の種類ごとに、つながる時間帯を変える
飲食店は開店前と中休み、EC事業者は午前、個人携帯宛は夕方以降。呼出音の割合を見ながら架電時間帯を組み替えます。フランチャイズ加盟オーナーの開拓では、日中帯だけでは取り切れないと分かった段階で、時間帯を変えた再架電の母数として呼出音69件を残し、優先順位を付けて回収しました。
2. 出店メリットより、今の売上の状況を聞く
「出店しませんか」ではなく、「今の販路で売上は伸びていますか」から入ります。伸びていない事業者には新しい販路の話が通り、伸びている事業者には手間をかけずに広げられる話が通ります。反応を見ながらトークを分けます。
フランチャイズ加盟オーナーの開拓では、当初「月1〜2時間の関与で済む手離れの良さ」を訴求の軸にしていましたが、アポイント5件のうち響いたのは1件だけで、多角経営で時間に余裕がある層には響きませんでした。代わりに、獲得したアポイントの6割が「物件や区画を持っている」「近隣に出店余地がある」ことが起点だったため、ヒアリングの冒頭に物件の有無を聞く分岐を入れ、訴求を「物件活用」「業界の成長性」「未経験でも運営できる」の三つに分けました。
3. 有効商談の定義を、プラットフォーム側と決める
情報収集だけのアポイントを送るか、出店意向を確認できた相手だけを有効商談として送るか。件数を追うと商談担当の時間が消えるので、最初に基準を決めます。ECモール出店者の開拓では、商談化率95%を維持し、月次のアポイント目標は12月が17件に対して17件、1月が34件に対して28件でした。
4. 一度NGになったリストを、時間を空けて回す
プラットフォーム営業はリストの母数が限られるため、新規リストが尽きた後の運用が成果を分けます。ECモール出店者の開拓では、過去にNGになった事業者、受付で止まった事業者を時間を空けて別のトークで回し、着電率を維持しました。同じリストを2周目に回すと着電率が下がる傾向は把握したうえで、部署別のリストとトークの変更で補いました。
5. 断りの理由を分類して、リストを直す
断りの理由を「リスト起因」「構造要因」「タイミング」に分けます。フランチャイズ加盟オーナーの開拓では、リスト起因が6割だったため、プラットフォーム側の商談済み・加盟済みリードとの突合と、問い合わせ経路の絞り込みでリストを精査しました。構造要因(他社FC加盟、自社運営、撤退)は再アプローチの余地が小さいので、追わない判断をしました。
6. 最初の1〜2か月で、どの事業者層が動くかを確かめる
物件を持っている人、他モールで売上が頭打ちの事業者、開業準備中の個人。反応する層は商材ごとに違います。最初の1〜2か月は固定報酬で、その層を見つける期間にしています。
出店企業の獲得と、加盟店の開拓は何が違うか
どちらも「プラットフォームに入ってもらう営業」ですが、相手の判断の重さが違います。
出店企業の獲得は、相手がすでに商品と販路を持っていて、新しい販路を一つ足すかどうかの判断です。初期費用が小さければ、話は早い。断りの理由は「今の販路で手一杯」「手数料」「うちの商品は合わない」が中心で、電話でその場で答えられることが多い。アポイントの基準は「出店の意向を確認できたか」で十分です。
加盟店・加盟オーナーの開拓は、相手が事業を一つ始めるかどうかの判断です。物件、資金、運営体制、家族の同意まで関わるので、電話一本では決まりません。問い合わせから加盟までの検討期間が長く、その間に他社FCや自社運営に流れます。アポイントの基準は「情報収集の段階か、検討の段階か」を分けたうえで、検討段階の相手を優先します。
事業者の種類ごとの、電話がつながる時間帯の整理も載せます。
| 事業者タイプ | 主な窓口 | 電話に出やすい時間帯 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ECモール出店事業者 | 店舗運営責任者、EC担当 | 平日午前 | 出荷の時間帯(午後)は出られない。代表番号が実店舗のことがある |
| 地方の食品・雑貨メーカー | 社長、営業責任者 | 平日日中 | 製造中は出られない。事務の人が受付をしていることが多い |
| 飲食店 | オーナー、店長 | 開店前(10〜11時)、中休み(14〜16時) | 仕込みと営業時間は出られない。定休日を確認 |
| フランチャイズ加盟希望者(個人) | 本人の個人携帯 | 夕方以降、土日 | 本業中は出られない。呼出音が7割を超える |
| チェーン店のバイヤー | 商品部、仕入れ担当 | 平日日中 | 展示会後や新規取引の受付時期が決まっている |
ステータスの内訳を見て、どこにロスがあるかを決める
架電の結果は、アポイントの数だけでなく、ステータスの内訳で見ます。ECモール出店者の開拓で使った内訳です。
- 呼出音:34.7%
- 決裁者不在:22.0%
- 受付NG:14.6%
- 責任者NG(冒頭で断られた):5.1%
- 見込C(担当者の名前が分かった):5.4%
- 資料送付:2.6%
- アポイント:2.1%
この内訳を見ると、改善の余地が一番大きいのは呼出音と決裁者不在で、合わせて57%。トークを直す前に、時間帯と再架電の運用を直す方が効きます。逆に、責任者NGが多い案件はトークの問題です。どこにロスがあるかを内訳で決めてから手を打つ、というのがスリーグッドの定例の進め方です。
支援例(社名非公開)
ECプラットフォームの出店企業獲得
共同購入型のECプラットフォーム。楽天・Yahooに出店中の事業者をリスト化し、約5週間で架電2,164件、着電322件、アポイント47件、商談化率95%。月次の目標に対して12月は17件中17件、1月は34件中28件。呼出音35%・決裁者不在22%・受付NG15%と、着電前のロスが最大で、時間帯の組み替えと、一度NGになったリストへの再架電で着電数を積み上げました。プラットフォーム側から提示されたKPIと施策については、架電効率との相関を数字で示して見直しを提案しました。
フランチャイズ加盟オーナーの開拓
ピラティススタジオのフランチャイズ。問い合わせ済みリードへの架電で、着電率20.8%、着電アポイント率25%、架電アポイント率5.2%(いずれもKPIを上回る)。獲得したアポイント5件はすべてFC未加盟の初回加盟層で、比較検討中の他社FCを挙げた相手はゼロ。競合比較より「未経験でも運営できるか」の不安解消が論点でした。6割が物件・区画の保有が起点だったため、トークの冒頭に物件の有無を聞く分岐を追加し、物件保有層には面積別の運営イメージと収益シミュレーションを提示する形に変えました。
仕入れサイトの出展ブランド獲得
小売店向け仕入れプラットフォーム。約半年間、地方の食品・雑貨メーカーを対象に、出展ブランドの獲得を担当。チェーン店のバイヤー側へのリストも並行して作成。
高級弁当の加盟店開拓(株式会社Cqree様)
法人向け高級弁当の宅配プラットフォーム「結膳」。2023年から3年以上継続して支援しており、飲食店を対象にした加盟店の新規開拓と、既存加盟店への架電を担当しています。
料金と進め方
料金は月額固定のみです。加盟店開拓や出店企業獲得は件数が見えやすい分、成果報酬の相談をいただくことが多いのですが、勝ちパターンが見つかる前の成果報酬は双方にとって不利になりやすい。代行会社は取りやすいアポイントを取りに行き、プラットフォーム側は出店意向のないアポイントを受け取ることになります。
最初の1〜2か月は、反応する事業者層と切り口を見つける期間として固定報酬で運用し、その結果を見て成果報酬に移行するかを一緒に決めています。契約締結から稼働開始までは最短14日です。
よくある質問
個人事業主や個店に電話がつながりません。どうしていますか
事業者の種類ごとに架電時間帯を変え、呼出音の割合を見ながら組み替えます。個人携帯宛は夕方以降、飲食店は開店前と中休み、EC事業者は午前が中心です。つながらなかった番号は再架電の母数として残し、優先順位を付けて回します。
問い合わせ済みのリードだけに電話してもらえますか
できます。フランチャイズ加盟オーナーの開拓では、問い合わせ済みリードだけを対象に架電し、着電アポイント率25%でした。ただし時間が経ったリードは、他社で決めた・情報収集をやめた、が増えるので、プラットフォーム側の商談済み・加盟済みデータと突合してから架電します。
成果報酬でお願いできますか
最初の1〜2か月は固定報酬でお願いしています。この期間で反応する事業者層と切り口が見えたあとであれば、成果報酬への移行を相談できます。加盟店開拓は件数が見えやすいので、基準を決めれば成果報酬に移りやすい領域です。
有効商談の基準はどう決めますか
キックオフで、情報収集だけのアポイントを送るか、出店・加盟の意向を確認できた相手だけを送るかを決めます。件数を追うと商談担当の時間が消えるので、商談化率と受注率で見る基準にすることを勧めています。
リストはどちらが用意しますか
新規リストはスリーグッドが用意します。ECモール出店者、地方メーカー、飲食店、開業準備中の個人など、事業者の種類に合わせて作ります。プラットフォーム側の問い合わせ済みリード、資料請求者、過去の商談先がある場合は、そちらへの架電も並行します。
最短でいつから始められますか
契約締結から稼働開始まで最短14日です。キックオフでターゲット、トーク、リスト、アポイントの基準、報告方法を決め、翌週から架電を始めます。
プラットフォーム側で決めているKPIと合わない場合はどうしますか
架電効率、着電率、着電アポイント率の相関を数字で示して、そのKPIに届くかどうかを最初に確認します。届かない場合は、KPIそのものか施策のどちらを変えるかを相談します。ECモール出店者の開拓では、提示された施策ではKPIに届かないことを計算で示し、施策を見直しました。
出店企業と加盟店、どちらの開拓が得意ですか
両方の実績があります。出店企業の獲得は電話でその場の判断が進みやすく、加盟店開拓は検討期間が長いので追客の設計が要ります。どちらも、最初の1〜2か月でどの事業者層が動くかを確かめてから、運用を固めます。
こんな会社様に向いています
- プラットフォームを立ち上げたが、出店者・加盟店の集まりが遅い
- 問い合わせは来るが、電話で追いかける人がいない
- 個店や個人事業主に電話がつながらず、営業が止まっている
- 加盟店開拓を成果報酬で頼みたいが、まず基準を決めたい
- 社内で決めたKPIが現場の数字と合わず、営業代行との関係がぎくしゃくしている

