売り方が決まっていない商材を、まず営業して確かめる
2か月、実際に架電しながら、どんな状態の企業のどの部署に、何を伝えると商談になるのかを確かめます。お渡しするのは商談だけではありません。本格的に営業に投資するか、どの条件に絞るかを判断するための材料です。

| 数字 | 説明 |
|---|---|
| 2か月 | 検証の期間。1か月目に広く当て、2か月目に反応のよい条件へ寄せます |
| 150万件 | 自社データベースにある部署直通番号の数(20万社分)。受付を通さず担当部署につなぎます |
| 0円 | リスト作成費。使ったリストと断り理由のデータは終了時に納品します |
進め方の要点
- ターゲット候補を複数立て、候補ごとにリストを新しく作る
- 部署直通で担当者に架電し、伝え方を変えて反応を比べる
- 商談になった理由と断られた理由を全件記録し、毎週リストとトークを直す
- 終了時に、続けるか、条件を変えるか、やめるかを一緒に決める
営業のPoCとは
PoC(Proof of Concept)は、本格的に投資する前に小さく試して、うまくいくかを確かめることです。営業のPoCでは、商材を実際に市場に当て、どんな相手が反応するのか、どんな伝え方なら話を聞いてもらえるのかを確かめます。
新商材や新しい市場では、社内で考えたターゲットや訴求が当たっているかどうかは、電話をかけてみるまで分かりません。営業担当を採用したり、広告に予算を入れたりする前に、2か月の架電で市場の反応を見ておくと、その後の判断の精度が上がります。
こんなご相談が多いです
- 新商材を出したが、誰に売ればよいか決めきれていない
- 既存の商材で新しい業界や新しい顧客層を開拓したいが、反応が読めない
- 訴求ポイントが社内で固まっていない
- 営業担当を採用する前に、市場の反応を見ておきたい
- 他社の営業代行で成果が出ず、何が悪かったのか分からないまま終わった
新商材の営業代行がうまくいかない理由
提案の段階で数字を決めてしまう
売り先が決まっていない商材でも、提案の段階で「月○件のアポイント」という数字を置いて始めることがよくあります。ところが実際に架電してみると、想定していた業界が反応しなかったり、話すべき部署が違ったりして、キックオフ後にターゲットが変わります。それでも数字だけが残ると、件数を合わせるための無理なアポイントが増え、商談の質が下がります。
リストを業種と規模だけで切る
同じ業種・同じ規模でも、店舗を増やしている会社とそうでない会社では、話を聞く理由がまったく違います。業種と規模だけで作ったリストでは、検討する理由のない会社にも同じように電話をかけることになり、反応の差が見えにくくなります。
報告が架電数で終わる
「今月は1,000件かけて、アポイントは何件でした」という報告では、どの相手が反応し、どの伝え方が効いたのかが残りません。次に何を変えればよいかが分からないまま、同じリストで架電を続けることになります。
PoCでは、数字を先に決めず、反応する相手を先に探します。報告も、件数より「どこで何が起きたか」を中心にします。
PoCで確かめること
| 確かめること | 具体的に見ること | 分かると決まること |
|---|---|---|
| 企業の状態 | 補助金の採択、増設・移転、新規事業の公表、採用強化など、どんな動きのある会社が反応するか | リストの切り方 |
| 部署・役職 | 誰が話を聞き、誰が決めるのか | 架電先と商談に出てもらう人 |
| 伝え方 | どの切り口で案内すると会話が続くか | トークと資料の軸 |
| 商談に進む条件 | 資料送付やサンプルの後、何があれば商談になるか | 追客の手順 |
| 時間帯 | 曜日・時間帯ごとの担当者への接触率 | 稼働の組み方 |
リストは企業の状態で切る

業種や規模ではなく、今動いている会社を探します。公開情報をAIで集め、商材を検討する理由がありそうな会社を抽出します。リストは案件ごとに新しく作ります。
| 状態の例 | どこから分かるか | 向いている商材の例 |
|---|---|---|
| 新規事業・事業転換を公表した | プレスリリース、補助金の採択結果 | 店舗内装、システム、採用支援 |
| 店舗や拠点を増やしている | 出店情報、移転・増設の公表 | POS、備品、人材 |
| 採用を強化している | 求人媒体の掲載状況 | 研修、採用管理、福利厚生 |
| 広告に予算を入れている | 検索・SNS広告の出稿状況 | マーケティング支援、制作 |
| 特定の商品を扱っていた | メニュー、取扱品目、過去の取引情報 | 食品、資材の代替提案 |
抽出した会社には、自社データベースから対象部署の直通番号を当てます。代表番号だけのリストでは、100件かけて担当者と話せるのは8件ほどです。部署直通番号を使うと、同じ架電数で会話できる数がおよそ2倍になります。検証の期間が短いPoCでは、この差が判断の精度にそのまま効いてきます。
反応が取れないときの見直しの順番
反応が取れないとき、架電の量を増やす前に、次の順で見直します。3と4は商材の設計に関わるため、弊社から提案し、判断はお客様にお願いします。
- ターゲット:業種・規模の条件から、今動いている状態の条件へ絞り込む
- 伝え方:訴求の軸、質問の順番、架電の時間帯を変える。断り理由から翌週に修正する
- 商材の見せ方:同じ商材でも、何として案内するかで、相手が話を聞く理由が変わる
- 入口の商材と価格:本命で会話が始まらない場合、無料診断やお試し導入など、受け入れやすい入口を前に置く
PoCに向いている商材
| 向いている | 理由 |
|---|---|
| 新商材・新サービス | 売り先と伝え方の仮説が、まだ市場で試されていない |
| 既存商材の新しい業界・顧客層 | 今のお客様と同じ伝え方が通じるか分からない |
| 説明に時間のかかる商材 | どの切り口なら話を聞いてもらえるかで成果が大きく変わる |
| 過去に営業代行で成果が出なかった商材 | 何が合っていなかったのかを切り分ける必要がある |
一方で、すでに売れる相手と伝え方が分かっていて、あとは接点の数を増やしたい場合は、PoCを挟まず新規開拓から始めた方が早いこともあります。既存のお客様の傾向が分かっている、他社で架電したデータがある、といった場合です。最初の相談でどちらが合うかをお伝えします。
お客様にご用意いただくもの
- 商材の説明資料と価格表
- これまでのお客様の傾向(業種、規模、導入のきっかけ)
- 社内で考えているターゲットの候補(なくても構いません)
- 商談に出ていただく方の日程
- 過去の営業代行やテレアポの記録(あれば)
既存のお客様の傾向は、リストの切り方を決める一番の手がかりになります。「なぜ買ってくれたのか」が分かると、同じ状態にある会社を探せます。
工程

| 時期 | やること |
|---|---|
| 稼働前(約2週間) | キックオフ、商材と既存顧客の整理、候補ごとのリストとトーク作成 |
| 1か月目 | 複数の候補と切り口を並行して広く当てる。断り理由を分類する |
| 2か月目 | 反応のよい条件に寄せ、リストとトークを磨く。商談化を進める |
| 終了時 | 続けるか、条件を変えるか、やめるかを一緒に決める |
週次で共有すること
毎週の定例で、次の内容を共有します。報告の中心は架電数ではありません。
- 担当者と会話できた割合と、そのうち商談になった割合
- ターゲット候補ごと、切り口ごとの反応の差
- 断られた理由の内訳と前週との比較
- 翌週のリストとトークの変更点
通話の音声ログ、リスト、トークはすべて開示します。数字の根拠をお客様側で確認できる状態にしておきます。
PoCの終わりにお渡しするもの
- 有効商談
- ターゲット候補ごとの反応の比較と、次に狙う条件の提案
- 商談理由・断り理由の一覧
- 使ったリストとトークスクリプト
- 続ける場合の、稼働量と商談数の試算
やめる判断になった場合も、リストと断り理由のデータは納品します。市場の反応が分かったこと自体が、次の判断材料になります。
続けるか、やめるかの判断
PoCの終わりに、次の3つから選んでいただきます。判断の材料は、商談の数だけでなく、商談の中身と断り理由です。
| 判断 | こんなとき | 次の進め方 |
|---|---|---|
| 続ける | 反応のよい条件が見つかり、商談の中身もよい | その条件に稼働を寄せ、目標を決めて積み上げる |
| 条件を変えて続ける | 反応はあるが、商談の質やターゲットにずれがある | リスト、伝え方、商材の見せ方を変えて、もう一度検証する |
| やめる | どの条件でも検討の理由が見つからない | リストと断り理由を納品し、商材設計の見直しに使っていただく |
商談1件あたりの費用の目安
過去の案件の実績から算出した目安です。お約束する数字ではありません。PoCの終わりに、お客様の商材での試算をお出しします。
| 商材の種類 | 月間稼働の例 | 商談1件あたりの目安 |
|---|---|---|
| 飲食店・店舗向けの飲料、消耗品、SaaS | 60〜80時間 | 約1〜3万円 |
| BtoBサービス・自治体向け | 80時間 | 約2〜4万円 |
| 設備・機械など説明に時間のかかる商材 | 36〜50時間 | 約8〜12万円 |
計算式は(稼働費+ディレクション費)÷有効商談数です。情報収集だけのアポイントは含めていません。
PoCの後の進め方
反応のよい条件が見えたら、その条件に稼働を寄せて商談を積み上げます。電話での開拓は新規開拓、商談そのものの対応は商談代行で引き継げます。目標の数字は、この段階でPoCの結果をもとに決めます。成果報酬をご希望の場合も、PoCの結果を見て移行するかをご相談します。
事例
自社事業 SAKANA DIRECT|陸上養殖魚の飲食店向け卸
ターゲット:飲食店(居酒屋など)
養殖ナマズを飲食店に卸す自社事業です。最初は食べログの居酒屋リスト(業種と価格帯)で架電し、1件目を受注しました。ヒアリングで、その店が以前国産ナマズを扱っていて仕入れ先が途絶えていたことが分かり、「国産ナマズの取扱歴がある店」「津本式の公認店」という状態でリストを組み直しました。
受注した店の共通点から「店で一次加工をしている店」という2つ目の条件も見つかり、ジビエを扱う業態にも広げています。販売開始から約2か月で8店舗と口座開設。トークは変えておらず、変えたのはリストの切り方だけです。
自治体向けAIサービス(社名非公開)
ターゲット:自治体の担当課
説明の難しい新しいサービスで、稼働初週のアポ率は1.5%でした。断り理由を読むと、「業務の効率化」という言い方では、自治体の担当者にとって検討する理由になっていませんでした。訴求を「担当者の経験の差をなくす」に変えたところ、翌週の単週アポ率は17.2%に上がり、稼働7週で累計23件の有効商談になりました。
架電数は増やしていません。変えたのは伝え方だけで、つながった中でのアポ率も8.3%から27.8%に上がっています。
温浴施設・飲食店向けの瓶ラムネ(社名非公開)
ターゲット:温浴施設・飲食店、食品卸
飲料メーカーの新規開拓です。個店に直接売るのではなく、個店の反応を集めて卸に持ち込み、卸経由で見積と受注につなげる形を検証しました。894コールで有効商談42件(架電アポ率4.7%)。
料金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 月額 概ね20万〜50万円(税別)。架電量を増やす場合など、月100万円以上のご相談もお受けしています |
| 期間 | 2か月 |
| 月額に含む業務 | リスト作成(部署直通番号の付与を含む)、架電、定例MTG、レポート作成 |
| 初期費用・リスト作成費 | かかりません |
| 別料金の業務 | 商談代行、訪問の交通費、メール・フォーム営業など |
| 終了時にお渡しするもの | 使ったリスト、断り理由のデータ、トーク。PoCでは、ターゲット候補ごとの反応の比較と、続ける場合の稼働量と商談数の試算も加えます |
| その後 | 月額固定のまま続けるか、成果報酬に移行するかを選べます |
PoCの期間中は、商談数の保証はありません。上の「商談1件あたりの費用の目安」は過去の案件の実績から出したもので、お約束する数字ではありません。
よくある質問
Q. 2か月より短い期間でお願いできますか。
PoCの期間は2か月です。1か月目に広く当て、2か月目に反応のよい条件へ寄せるため、それより短いと判断の材料がそろいません。展示会後のフォローコールなど、短期のスポット架電は別途ご相談ください。
Q. PoCの後、必ず続ける必要はありますか。
ありません。結果を見て、続ける、条件を変えて続ける、やめる、のいずれも選べます。
Q. 提案時に商談数の目標は出してもらえますか。
提案の時点では数字のお約束はしていません。始めてみるとターゲットが変わることが多く、先に決めた数字が実態に合わなくなるためです。PoCの結果をもとに、続ける場合の目標を一緒に決めます。
Q. 社内に営業の仕組みがなくても依頼できますか。
できます。リスト作成、トーク作成、架電、商談の日程調整まで弊社が行います。標準の料金に商談は含みません。商談には商材をよくご存じの方に出ていただき、商談まで任せたい場合は商談代行(別料金)を組み合わせられます。
Q. 他社の営業代行で成果が出なかった商材でも相談できますか。
できます。前回のリストや断り理由が残っていれば、最初に見せていただくと、何を変えるべきかの見当がつきやすくなります。
Q. ターゲット候補はこちらで用意する必要がありますか。
必須ではありません。既存のお客様や商談の傾向をうかがい、弊社から候補を出します。すでに売れる相手が見えていて大きく広げたい場合は、GTM実行支援から始めることもできます。
スリーグッドはこれまでに200社以上の新規開拓を担当してきました。自社でも養殖魚の卸(SAKANA DIRECT)やPRのマッチング事業(PR Direct)を立ち上げ、同じ手順で最初のお客様を見つけています。売り方がまだ決まっていない段階こそ、まず営業して確かめるのが近道だと考えています。
