「店舗に電話しても、店長さんから『本部が決めるので』と言われて終わってしまう」
「チェーン本部に提案したいが、どの部署の誰に話せばいいのか分からない」
「薬局にも売れるはずの商材なのに、ほかの小売店と同じトークではまったく話が進まない」
POSレジ、集客支援、店舗向けのシステム、FC加盟の募集など、店舗を相手にする商材の営業をしていると、こうした悩みをよく聞きます。店舗は数が多く、電話番号も公開されているので、リストは簡単に作れます。ところが、実際に電話をかけると、受付で止まる、店長には決める権限がない、忙しい時間帯で話を聞いてもらえない、ということが続きます。架電数は増えても、商談にはなかなかつながりません。
先に結論をお伝えします。店舗向けの新規開拓は、トークの出来よりも先に、リストの分け方で結果が決まります。個店とチェーン本部を分ける、本部には担当部署の直通番号で届ける、新店オープンのような店の状態で絞る、業態ごとに電話する時間帯とトークを変える。この順番で組み立てると、同じ商材でも数字が大きく変わります。スリーグッドが担当した店舗向けの集客支援では、新店オープン直後の店舗に絞ったリストで架電アポ率3.7%、過去リストへの再架電では0.3%でした。
本記事では、小売店・店舗・チェーン本部・薬局に商材を売る企業の方に向けて、店舗向けの営業がうまくいかない理由と、新規開拓の進め方、現場で記録した数字、営業代行に依頼する場合の料金と期間の目安を解説します。
この記事の要点
- 店舗向けの営業は、個店・小規模チェーン・チェーン本部・FC加盟店で決める人が違うため、リストを分けて別々に進める
- チェーン本部には代表番号ではなく部署直通番号で届けると、担当者と話せる数が約2倍になる
- 新店オープン直後など店の状態で絞ったリストは、過去リストの再架電と比べてアポ率が10倍以上になった
- 薬局は本社一括で決める会社が多く、繁忙期や既存システムとの連携など、ほかの小売と判断の条件が違う
店舗向けの営業代行とは?小売・薬局の新規開拓で頼めること

店舗向けの営業代行とは、小売店や専門店、ドラッグストア、調剤薬局、チェーン本部、FC加盟店のオーナーなど、店舗を運営する企業や個人に向けて、商材を売る企業に代わって新規開拓を行うサービスです。スリーグッドは電話での新規開拓が主軸で、リスト作成から架電、商談の日程調整、毎週の定例とレポートまでを担当します。
対象になる商材は、POSレジや決済端末、シフト管理などの店舗向けシステム、広告運用・MEO・チラシといった集客支援、免税販売の手続きに対応するシステム、FC加盟店の募集など、店舗の売上や運営に関わるものが中心です。スリーグッドは、ポスタス株式会社(パーソルのグループ会社)の飲食店・小売店向けクラウド型POSの新規開拓を6年以上担当しており。パーソルホールディングス株式会社とは2020年8月から取引があり、新規プロジェクトが立ち上がるたびに担当しています。延べ2,000件以上のアポイントを獲得し、毎月50件以上、架電アポ率は平均2.1%です。
なお、飲食店に向けた商材は、店長やオーナーのいる時間帯やメニュー改定の時期など、物販の小売とは進め方が異なるため、飲食店向けの営業代行で別に解説しています。本記事では、物販の小売店・店舗・チェーン本部・薬局を中心にお伝えします。業種ごとの実績は小売・店舗向けの営業代行でもまとめています。
小売・店舗・薬局への営業がうまくいかない理由

店舗向けの営業で商談が増えない原因は、商材の良し悪しよりも、電話をかける相手と時期が合っていないことにある場合がほとんどです。現場でよく見る原因を4つに分けて整理します。
店長に決める権限がない
店舗の代表番号に電話すると、出るのは店長かスタッフです。ところが、チェーン店やFC加盟店では、システムや広告の導入を店長が決められないことが多くあります。店舗向け集客支援の架電記録には「上からOKが出ないとオンラインの商談はできない」「オーナーは火曜か日曜しか来ない」といった声が残っています。店長が商材に興味を持っても、そこから先に進めないのです。決める人がどこにいるかを前提に、リストとトークを組む必要があります。
チェーン本部の担当部署が分かりにくい
決めるのが本部だと分かっても、次は電話先が分かりません。店舗運営部、営業企画部、販売促進部、情報システム部、経営企画部など、商材によって担当する部署が違い、会社によって部署の名前も違います。代表番号から「POSの件で」と伝えても、受付で「担当が分からない」「本部一括なので番号は教えられない」と言われることもあります。小規模なチェーンへの架電記録では、店舗に電話して「本社一括」と言われたケースが繰り返し出てきました。
忙しい時間帯は話を聞いてもらえない
店舗は営業中が一番忙しい時間です。開店直後、昼のピーク、夕方の混雑時に電話をかけても、話を聞いてもらえる余裕はありません。年度末や新店の準備期間など、時期による忙しさもあります。新店オープン前の店舗では「新店舗の準備で忙しいので、まずは資料から」という返事が多く、業態によっては忙しい時期の架電をいったん止め、落ち着いてから再開する判断をすることもあります。
薬局はほかの小売と判断の条件が違う
薬局、特に調剤薬局は、同じ店舗でもほかの小売とは事情が違います。業務用の専用システムと連携していて簡単に入れ替えられない、補助金を使って設備を入れたばかり、といった理由で断られることがあります。決めるのは本社であることが多く、現場は忙しくて話を聞く時間がありません。物販店と同じリスト、同じトークで電話しても進みにくいのはこのためです。
店舗向け新規開拓の進め方

スリーグッドが店舗向けの商材で実際に行っている進め方をお伝えします。
個店とチェーンでリストを分ける
最初に、相手を店舗の規模と形態で分けます。個店とチェーン本部では、決める人も電話先も断り文句もまったく違うため、同じリストに混ぜると、トークも結果の分析も中途半端になります。
| 区分 | 決める人 | 電話先 | 進め方 |
|---|---|---|---|
| 個店・1〜2店舗 | オーナー・店長 | 店舗の番号 | オーナーのいる曜日と時間を聞き、名前を指名してかけ直す |
| 小規模チェーン(3〜20店舗程度) | 社長・本社の管理担当 | 本社の番号 | 店舗から本社の番号と担当者名を聞き出し、本社に電話する |
| 中堅・大手チェーン本部 | 本部の担当部署 | 部署直通の番号 | 商材に合う部署を決め、直通番号で担当者に届ける |
| FC加盟店 | 加盟店のオーナー(本部の承認が要る場合あり) | 店舗またはオーナーの番号 | 本部と加盟店のどちらが決めるかを先に確認する |
この区分を決めると、同じ「店舗」でも、どこに何件電話するのか、どの断り文句がどの区分で多いのかが見えるようになります。
チェーン本部には部署直通番号で届ける
中堅・大手チェーンの本部には、代表番号ではなく担当部署の直通番号で電話します。スリーグッドは20万社・150万部署の部署直通番号のデータベースを持っており、案件ごとに新しく作ったリストに、販売促進部や店舗運営部などの直通番号を当てています。代表番号のリストと比べると、担当者と会話できる数は約2倍になります。100件電話して担当者と話せるのが8件だったものが、16件になる計算です。
POINT:店舗に電話して本部の番号が聞けなかった場合も、そこで終わりにしません。受付の方から担当部署の名前や担当者のいる時間だけでも聞き出し、記録に残します。この小さな情報の積み重ねが、2回目以降の電話で担当者に届くかどうかを分けます。
店の状態でリストを切る
店舗向けの営業で一番数字が動くのは、店の状態でリストを絞ったときです。新しい店を開けた、改装した、閉店や移転を控えている、免税販売を始めた、FCの加盟を検討している、といった状態の店舗は、まさにいま設備や集客を見直している最中です。こうした相手に、状態に合わせた話から入ると、同じ商材でも聞いてもらえる確率が上がります。
| 店の状態 | 合いやすい商材 | 話の入り方 |
|---|---|---|
| 新店オープン直後 | 集客支援(広告運用・MEO・チラシ) | 開店後の集客の立ち上げ方を話題にする |
| 新店オープン前・改装前 | POSレジ・決済端末・店舗向けシステム | 導入時期に間に合うかどうかを話題にする |
| 既存システムの入れ替え時期 | POSレジ・シフト管理などのシステム | 今の仕組みで困っている点を聞く |
| 訪日客が増えている商業地の店舗 | 免税販売の手続きに対応するシステム | 免税手続きの手間や制度の変更を話題にする |
| FC加盟を検討中の個人・法人 | FC加盟の募集 | 以前の問い合わせ内容や検討状況から入る |
新店オープン直後の店舗に絞った集客支援の案件では、架電アポ率が3.7%でした。同じ案件で過去リストに再架電したときは0.3%です。商材もトークも同じで、変えたのはリストの切り方だけでした。
業態ごとに時間帯とトークを変える
業態によって、電話がつながりやすい時間と、聞いてもらえる話題が違います。物販の店舗は開店直後と夕方の混雑を避け、店が落ち着く時間を狙います。オーナーが店にいない業態では、いる曜日を先に聞いておきます。FC加盟を検討している個人の方は、本業があるため平日の夕方以降にしか時間が取れないことが多く、FC加盟オーナーの開拓では、商談の多くが平日の夕方以降の枠で入りました。業態によっては、夜の遅い時間なら短時間だけ、という条件でアポイントになったケースもあります。
トークも業態ごとに変えます。ある店舗向けシステムの案件では、業態ごとに相手の会社のホームページを見て、採用や教育、自費メニューの打ち出し方などから切り口を決める方法に切り替えました。ある業態では、その業態ならではの経営の話題を出したところ、担当者がいる時間を教えてもらえたという記録があります。
POINT:業態ごとにトークを変えると、1時間あたりの架電数は一時的に下がります。それでも、調べる時間を削って架電数を戻すのではなく、何件で何件の担当者と話せたかを毎週見比べて判断します。
1〜2か月の試験稼働で、当たる条件を確かめる
どの区分、どの状態、どの時間帯の店舗に反応があるかは、実際に電話してみないと分かりません。スリーグッドでは、最初の1〜2か月を試験稼働と位置づけ、リストの区分ごとに着電率とアポ率、断り理由を集めます。そのうえで、当たった条件にリストと架電を寄せていきます。目標の数字は、この結果を見てから決めます。成果は資料送付の約束などを含めず、「有効商談」で数えます。
現場の記録:店舗向け新規開拓の数字

ここでは、スリーグッドが担当した店舗向けの案件から、社名を伏せて実際の数字をお伝えします。
新店オープン直後の店舗に絞った集客支援
店舗向けに広告運用・MEO・チラシをまとめて提供する集客支援の会社(社名非公開)の案件です。全国に店舗を持つチェーンのFC加盟店を中心に、新店オープン直後の店舗に絞ったリストを作りました。結果は架電アポ率3.7%、担当者と話せた場合の着電アポ率は35.7%で、約3件に1件が商談になりました。一方、過去リストへの再架電は0.3%にとどまりました。架電記録には「オーナーはあまり店に来ない」「MEOは別の会社と契約したばかり」といった情報を残し、次の架電に使っています。この案件は2024年7月から継続しています。
小規模チェーンへの店舗システムの提案
店舗向けシステムの提案で、数店舗から十数店舗の規模のチェーンに電話したリストでは、受付NG、責任者不在、呼出音のみで全体の大半を占めました。責任者と話せても断りが多く、アポイントになるのは一部です。小規模チェーンは、責任者に届くまでが一番の壁になりました。
断りの理由で多かったのは、本社一括で店舗では決められない、既存のシステムと連携しているので変えられない、補助金を使って入れたばかり、といったものでした。一方でアポイントになった相手は、今の仕組みに先々の不安を感じていた、店舗数が多く費用面に不安がある、など入れ替えを考える理由がはっきりしていました。店舗数や今使っている仕組みを最初に確認する流れに変えたのは、この結果からです。
繁忙期は架電を止め、個社ごとのトークに切り替えた
稼働が続くと、アポ率が落ち込む時期もあります。断り理由は「切り替えの予定がない」と、新規の営業そのものを断る即NGが中心でした。業態によっては繁忙期に責任者に断られることが多かったため、いったん止めて繁忙期が明けてから再開すると決めました。あわせて、すべての業態で、相手の会社を調べて切り口を変える個社ごとのトークに切り替えています。
FC加盟オーナー候補への再アプローチ
FC本部(社名非公開)の案件では、以前に加盟の問い合わせをした個人・法人に電話しました。担当者と話せた相手の多くが商談に進み、反応が良かったのは、新しく立ち上げる話よりも、すでに運営している店舗を引き継ぐ話でした。ほかにも、免税店向けに免税手続きに対応するシステムの新規開拓(社名非公開)を担当しています。
これらの案件の進め方は、小売・店舗・薬局向けの営業代行のページでもまとめています。
店舗向け営業代行の料金と期間の目安

スリーグッドの料金は月額固定で、初期費用はかかりません。チェーン本部や中堅企業への開拓と、個店・中小の店舗への開拓では、リストの件数や架電の工数が違うため、プランを分けています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 月額固定、初期費用なし(税別、工数による) |
| プラン① | 大手・中堅・ニッチ市場・自治体向け:月20万〜50万円。チェーン本部への開拓はこちらが目安 |
| プラン② | 中小企業・店舗向け:月50万〜200万円。個店や小規模チェーンへの開拓はこちらが目安 |
| 最低契約期間 | 2か月 |
| 稼働開始まで | ご契約日から標準14日 |
| 月額に含むもの | リスト作成(部署直通番号の付与を含む)、架電、毎週の定例ミーティング、レポート作成 |
| 別料金 | 商談代行、訪問の交通費、メール・フォーム営業など |
| 終了時にお渡しするもの | 使ったリスト、断り理由のデータ、トーク |
提案の段階で、リストと定例資料のサンプルをお送りしています。どの区分の店舗に、どの状態で絞って電話するのかを、契約前に確認していただけます。営業代行を選ぶときに見ておきたい点は、はじめて営業代行を使うときの注意点でも解説しています。
よくある質問
Q1. 店舗向けの営業代行では、個店とチェーン本部のどちらにも電話できますか?
どちらにも対応しています。ただし、決める人と電話先が違うため、リストを分けて別々に進めます。チェーン本部には部署直通番号で、個店にはオーナーのいる時間を確かめてから電話します。
Q2. 薬局への営業代行も頼めますか?
頼めます。薬局は本社一括で決める会社が多く、繁忙期や既存システムとの連携など判断の条件が違うため、ほかの小売とはリストとトークを分けて進めます。
Q3. 店舗向けの商材を担当した経験のあるメンバーが付きますか?
その業界の商材を担当した経験のあるメンバーだけをアサインします。初めての領域になる場合は、契約前にお伝えします。
Q4. 新店オープンなど、店の状態で絞ったリストは作れますか?
作れます。リストは案件ごとに新しく作り、新店オープン、改装、FC加盟の検討など、商材に合う状態で絞ります。そのうえで、チェーン本部などには部署直通番号を当てます。
Q5. どのくらいの期間で結果が分かりますか?
最低契約期間は2か月で、ご契約日から稼働開始までは標準14日です。最初の1〜2か月で、どの区分・状態の店舗に反応があるかを確かめ、その結果から目標を決めます。
通話の録音確認やスタッフのトレーニングなど、品質の管理方法は品質管理の基準「BtoBQS」で公開しています。
代表・田中からひとこと
私は魚の卸のルート営業から営業の仕事を始め、京都・先斗町の和食店で1年間板場に立ったあと、光通信系の営業会社ではテレアポの成績1位も経験しました。営業代行を始めたのは、運営していた民泊がコロナで売上9割減になったことがきっかけです。今は自社でも陸上養殖魚の卸事業SAKANA DIRECTを運営し、自分たちの商材で毎月電話をかけています。
店舗の数は多く、電話番号も簡単に集まるので、つい架電数で押し切りたくなります。ですが、新店オープン直後に絞っただけでアポ率が大きく変わったように、数字を動かすのはリストの切り方です。どの店に、いつ、誰に電話するのか。そこを一緒に確かめるところから始めさせてください。
まとめ
- 店舗向けの営業は、個店・小規模チェーン・チェーン本部・FC加盟店で決める人が違うため、リストを分けて進める
- チェーン本部には部署直通番号で届け、新店オープンなど店の状態で絞ると、同じ商材でも数字が大きく変わる
- 薬局は本社一括や繁忙期、既存システムとの連携など判断の条件が違うため、ほかの小売とはリストとトークを分ける
小売店・店舗・チェーン本部・薬局への新規開拓は、架電数を増やすよりも、どの店舗に、いつ、誰に電話するかを決めることが先です。スリーグッドでは、最初の1〜2か月で当たる条件を確かめ、その結果をもとにリストと架電を寄せていきます。店舗向けの商材の新規開拓でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。
株式会社スリーグッド 代表取締役 田中祐貴
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