「学校に電話しても、担当の先生にほとんどつながらない」「教育委員会と学校のどちらに話を持っていけばいいのか分からない」「資料は受け取ってもらえるのに、そこから先に進まない」。学校や教育委員会、学習塾に商材を売りたい企業の方から、こうしたご相談をよくいただきます。
教育機関への営業は、民間企業への営業と同じやり方では進みにくい分野です。先生は授業中に電話に出られませんし、公立校の予算は年度ごとに決まります。購入を決めるのが学校なのか教育委員会なのかも、商材によって変わります。電話の量を増やしても、時期と窓口がずれていると数字は動きません。
先に結論をお伝えします。学校向けの新規開拓は、予算の時期から逆算し、商材ごとに学校と教育委員会のどちらを起点にするかを決め、端末や規模で分けたリストに、先生がつかまる時間帯に電話することで進み始めます。架電の量より、リストの切り方のほうが結果を大きく左右します。
本記事では、学校向けの営業代行で何を任せられるのか、教育機関への営業がうまくいかない理由、具体的な進め方を解説します。あわせて、学校ICT端末の修理サービスの新規開拓で実際に記録した内容を、株式会社スリーグッドの稼働報告からご紹介します。
この記事の要点
- 学校向けの営業は、予算の時期、決める相手、電話がつながる時間帯が民間企業と違う
- 公立は年度予算と教育委員会、私立は学校法人の判断で動くため、進め方を分けて考える
- 端末の種類や地域でリストを分けると、同じ商材でもアポ率が大きく変わる
- 学校ICT端末の修理サービスでは、教育委員会向けのリストを加えたことで、アポ率の高いリストが見つかった
学校向けの営業代行とは?

学校向けの営業代行とは、小学校・中学校・高校・大学、学習塾、教育委員会といった教育機関への新規開拓を、外部の会社が代わりに行うサービスです。スリーグッドの場合は電話での新規開拓が中心で、リストの作成、トークの作成、架電、商談の設定、毎週の定例での振り返りまでを月額固定でお受けしています。
対象になる商材は幅広く、これまでに学校ICT端末の修理サービス、学校向けのAI研修などの新規開拓を担当してきました。教材、校務の効率化ツール、施設や備品のサービスなど、教育機関を買い手とする商材であればご相談いただけます。教育機関向けの対応内容は教育機関向けの営業代行ページにまとめています。
教育機関営業で営業代行を使う理由としては、社内に教育機関向けの営業経験者がいない、先生がつかまらず自社の営業担当の時間が足りない、どの学校から当たればよいか見当がつかない、といったものが多いです。特に新しい商材や、これまで民間企業に売っていた商材を学校向けに広げる場合は、どんな学校に売れるのかを営業しながら確かめる必要があります。営業代行を初めて検討される方は、初めて営業代行を使うときの進め方もあわせてご覧ください。
教育機関への営業がうまくいかない理由
先生が電話に出られる時間が限られている

学校の代表番号に電話すると、まず事務の方や教頭先生が出ます。担当の先生は授業中で、戻りは放課後ということがほとんどです。ICT担当や進路指導の先生も授業を受け持っているため、話ができる時間は一日のうちでも限られます。
時期の影響も大きく出ます。ある学校ICT端末の修理サービスの案件では、期末試験・文化祭・体育祭が重なった週に、決裁者不在がその週のコールの半分以上を占めました。学校の行事予定を考えずに電話を続けると、架電数だけが増えて、先生と話せる回数は増えません。
予算が年度で決まっている
公立学校の予算は年度単位で、翌年度の予算は前年の秋ごろから要求と編成が進みます。良い商材でも、予算が閉じた後に提案すると「今年度は難しいです」で終わってしまいます。反対に、予算要求の前に情報を届けておけば、翌年度の検討に入れてもらえる可能性があります。
電話で断られたときに、その理由が「予算がない」なのか「今は時期ではない」なのかを分けて記録しておかないと、次にいつ電話すればよいのかも分かりません。教育機関の営業では、断り理由の記録がそのまま次の営業計画になります。
決める相手が学校と教育委員会に分かれている
公立校では、同じ学校で使うものでも、学校が決めるものと教育委員会がまとめて決めるものがあります。たとえば端末の調達や保守は教育委員会、授業で使う研修や教材は学校、という分かれ方です。学校に電話して「それは教育委員会で決めています」と言われ、教育委員会に電話して「学校ごとに判断しています」と言われる、という行き来は珍しくありません。商材ごとに決める相手を見極めないまま電話を始めると、ここで時間を使ってしまいます。
公立と私立で進め方が違う
私立学校は学校法人として自前の予算を持ち、判断も学校ごとです。教育委員会を通らない分、話が早く進むこともありますが、事務局と先生のどちらが窓口なのかは学校によって異なります。
先ほどの修理サービスの案件では、私立学校のリストは電話自体はつながりやすかった一方で、端末がリース契約で修理は返却時に精算する、保険や保証で完結している、といった理由の断りが多く、アポ率は伸びませんでした。公立と私立を同じリスト、同じトークで扱うと、こうした違いが数字の中に埋もれて見えにくくなります。
学校向け新規開拓の進め方
予算の時期から逆算してスケジュールを組む

最初に、商材がどの予算で買われるのかを確認します。公立校向けで翌年度の予算に入れてもらう必要がある商材なら、秋の予算要求に間に合う時期に情報を届けるのが基本です。修理や消耗品のように今年度の予算の範囲で対応できるものなら、年度の途中でも動けます。
公立校向けの商材では、翌年度の予算要求に間に合う秋から冬にかけて情報を届けておき、行事や年度末で先生が忙しい時期は電話を控えるなど、月ごとに電話する相手と内容を変えます。
| 商材のタイプ | 主に使われる予算 | 電話を始めたい時期の目安 |
|---|---|---|
| 端末・設備の調達 | 翌年度の予算 | 予算要求の前(夏から秋口) |
| 修理・保守・消耗品 | 今年度の予算の範囲 | 年度内いつでも(試験や行事の時期は避ける) |
| 研修・講座 | 翌年度の予算、または年度内の研修費 | 予算要求の前、または新年度の体制が固まった後 |
| 私立学校・学習塾向けの商材 | 学校法人・企業ごとの予算 | 時期の制約は小さい。相手の繁忙期は避ける |
POINT:「予算がない」という断りは、時期を変えれば話が進む場合があります。断り理由を「予算」「時期」「対象外」に分けて記録しておくと、次に電話する時期と相手を決めやすくなります。
学校と教育委員会のどちらを起点にするかを商材ごとに決める
次に、最初に電話する相手を商材ごとに決めます。学校で決まる商材なら学校から、教育委員会がまとめて決める商材なら教育委員会から当たります。どちらか分からない場合は、少数ずつ両方に電話して、反応の良いほうを主軸にします。
| 相手 | 向いている商材 | 電話するときの注意 |
|---|---|---|
| 公立の小中学校・高校 | 授業で使う研修、教材、学校単位で決められるサービス | 先生が授業中のことが多い。戻り時間と担当の先生の名前を聞いて再架電する |
| 教育委員会 | 端末の調達・保守、複数校にまとめて入れるサービス | 担当課の直通番号に電話する。年度ごとの異動で担当者が変わる |
| 私立学校 | 学校ごとに判断できる商材全般 | 事務局と先生のどちらが窓口かを最初に確認する |
| 大学・学習塾 | 部署や教室ごとに使うサービス、講師研修など | 担当部署や本部の窓口を先に特定する |
修理サービスの案件では、当初は学校への電話が中心でしたが、途中から都道府県の教育委員会向けのリストを加えたところ、すべてのリストの中で最も高い数字が出ました。教育委員会は受付で止められることが少なく、端末を管理している担当者に直接つながりやすかったためです。教育委員会への営業は自治体営業の一部でもあるので、進め方は自治体向けの営業代行ページも参考になります。
端末や規模でリストを分ける
学校向けの商材は、相手の学校が使っている設備や規模によって、そもそも対象になるかどうかが決まることがあります。特定の端末や設備を前提にしたサービスなら、それを使っている学校でなければ話が始まりません。そこで、事前に学校の状況を調べてリストを分け、サービスに合う学校に絞って電話しました。
結果は数字にも表れました。サービスに合うと分かっている学校のリストは、状況が分からない学校のリストよりもアポ率が高くなりました。状況が分からない学校への電話が多かった週には、対象外という断りが目立っています。
地域で分けることも有効でした。同じ案件でも、地域によってアポ率に差が出ました。こうした差は、リストを分けて記録していなければ見えません。
先生がつかまる時間帯に電話する
先生と話せる時間は限られているため、電話する時間帯を決めておきます。修理サービスの案件では、つながりやすかったのは10時台と16時台で、この時間帯に架電を集めるようにしました。不在のときは、担当の先生の名前と戻りの時間、つながりやすい曜日を聞いてリストに残し、その時間に改めて電話します。
学校への電話は、一度でつながらないことが前提です。同じ案件では、一度話ができて検討中や資料送付になった学校を追いかけた電話のほうが、新しい学校への電話よりもアポ率が大きく上回りました。何度か電話を重ねてからアポになった学校もあります。
POINT:学校の営業では、最初の電話で決まらなかった学校をどう追いかけるかで数字が変わります。不在時に聞いた名前と時間、検討中の学校の温度感を記録し、次に電話する日を決めておくことが大切です。
断り理由を毎週の定例で共有し、リストとトークを直す
電話の結果は、アポの数だけでなく断り理由まで毎週の定例で共有します。修理サービスの案件では、責任者に断られた学校のうち約半数が、リース契約で返却する、対象外の端末を使っている、他の業者と一括で契約している、といった理由でした。これはトークを工夫しても変えられないので、リストを作る段階で外すようにしました。
一方でトークで変えられる断りもあります。この案件では、電話の冒頭で端末の種類と契約形態を確認し、不要になった端末の買取の話を前に出すようにトークを直したところ、話を聞いてもらえる学校が増えました。リストとトークのどちらを直すべきかは、断り理由を分けて見ていくと判断できます。スリーグッドでは通話を録音してディレクターが確認し、品質の基準をBtoBQSとして公開しています。
現場の記録:学校向け新規開拓の事例
学校ICT端末の修理サービス(社名非公開)

全国の学校を対象に、端末の修理サービスの商談を設定した案件の記録です。立ち上がりの時期は端末が分からない学校への電話が中心で、アポ率が伸びずに苦戦しました。
そこから、対象の端末を使っている学校の事前の絞り込み、冒頭で端末と契約形態を確認するトークへの変更、都道府県の教育委員会向けリストの追加を順に行い、アポ率は月ごとに上がっていきました。教育委員会向けのリストは少ないコール数の試験から始め、反応が良かったので主軸に切り替えています。教育委員会のリストを入れた週から、アポ率ははっきり上がりました。
| リスト | 結果の傾向 |
|---|---|
| 都道府県の教育委員会 | 担当者につながりやすく、アポ率も最も高い |
| 私立学校 | 電話はつながりやすいが、リース契約などを理由にした断りが多い |
| 対象の端末が分かっている学校 | 端末が分からない学校よりアポ率が高い |
| 端末が分からない学校 | 対象外の端末という断りが多く、アポ率は低い |
| 対象外の端末の学校 | つながってもアポイントにはならなかった |
振り返ると、教育委員会のリストをもっと早く入れていれば、アポの総数はさらに伸ばせた可能性があります。最初から全部の学校に電話するのではなく、リストを少数ずつ試して当たったものを早く主軸にする、という進め方の大切さを確かめた案件でした。
事例から分かること
この案件で数字が動いたのは、電話の量を増やしたからではなく、端末と窓口でリストを分け、電話する相手を切り替えたからです。教育機関の営業は、最初の1〜2か月でどのリストに反応があるかを確かめ、当たった条件を広げていく進め方が向いています。
料金と期間の目安
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 月額固定、初期費用なし |
| プラン①大手・中堅・ニッチ市場・自治体向け | 月20万〜50万円(税別、工数による) |
| プラン②中小企業・店舗向け | 月50万〜200万円(税別、工数による) |
| 最低契約期間 | 2か月 |
| 稼働開始まで | ご契約日から標準14日 |
| 月額に含むもの | リスト作成(部署直通番号の付与を含む)、架電、毎週の定例ミーティング、レポート作成 |
| 別料金 | 商談代行、訪問の交通費、メール・フォーム営業など |
| 終了時にお渡しするもの | 使ったリスト、断り理由のデータ、トーク |

学校や教育委員会向けの案件は、多くの場合プラン①の範囲でお受けしています。提案の段階で、リストと定例資料のサンプルをお送りしますので、どのような形で進むのかを事前にご確認いただけます。
よくある質問
Q1. 学習塾や大学も対象になりますか?
はい、対象です。学習塾は本部や経営者、大学は担当の部署が窓口になることが多く、公立の小中学校とはリストの作り方が変わります。商材に合わせて、どの教育機関から当たるかをご提案します。
Q2. 教育委員会への営業もお願いできますか?
お受けしています。教育委員会は担当課の直通番号に電話するため、受付で止められることが比較的少なく、学校よりつながりやすいことがあります。端末や複数校にまとめて入れる商材では、教育委員会を起点にすることをおすすめする場合があります。
Q3. どのくらいの期間で結果が見えますか?
最低契約期間は2か月です。修理サービスの事例でも、2か月の中で反応の良いリストが見つかり、アポ率が月ごとに上がっていきました。最初の1〜2か月は、どの相手と時期に反応があるかを確かめる期間と考えていただくのが現実的です。
Q4. 成果はどのように数えますか?
有効商談の件数で数えます。資料送付のお約束などは成果に数えません。断り理由や検討中の学校の情報は、毎週の定例とレポートで共有します。
Q5. 教育機関向けの商材を担当した経験のある人が電話しますか?
その業界の商材を担当した経験のあるメンバーだけをアサインしています。初めての領域になる場合は、契約前にお伝えします。
代表・田中からひとこと
私は魚の卸のルート営業から営業の仕事を始め、京都・先斗町の和食店で1年間板場に立ったあと、光通信系の営業会社ではテレアポの成績1位も経験しました。営業代行を始めたのは、運営していた民泊がコロナで売上9割減になったことがきっかけです。今は自社でも陸上養殖魚の卸事業SAKANA DIRECTを運営し、自分たちの商材で毎月電話をかけています。
学校向けの営業は、先生がつかまらない、予算の時期が合わない、窓口が分からないと、つまずく理由がはっきりしている分野です。逆に言えば、予算の時期と決める相手、つながる時間帯を押さえてリストを組めば、数字は動き始めます。修理サービスの案件で教育委員会のリストが当たったときも、決め手になったのはリストの切り方でした。学校に売りたい商材をお持ちで、どこから当たればよいか迷っている方は、一度ご相談ください。
まとめ
- 教育機関の営業は、予算の時期、学校と教育委員会のどちらが決めるか、先生がつかまる時間帯で結果が変わる
- 端末や地域、公立と私立でリストを分けると、反応の良い相手がはっきり見えてくる
- 断り理由を毎週分けて記録し、リストで外すものとトークで変えられるものを判断する
学校向けの新規開拓は、電話の量を増やすより、誰にいつ電話するかを決めるほうが先です。スリーグッドでは、教育機関向けの商材についても、1〜2か月の稼働で反応のある相手を確かめ、当たった条件を広げる形でお手伝いしています。対応している商材や進め方は教育機関向けの営業代行ページでご覧いただけます。
株式会社スリーグッド 代表取締役 田中祐貴
X:@threee_sales HP:threegood.net

