新規事業の認知拡大はメディア掲載から|BtoBの新商品をテレアポで売れる状態にするPRの進め方

並んだ新聞

「電話をかけても、どこの会社ですかで終わってしまう」「新しい商品なので、説明しても比べる相手がいない」「プレスリリースを配信したのに、反応がほとんどなかった」。新規事業や新商品の営業を担当している方から、こうしたご相談をよくいただきます。

営業の現場では、商品の良し悪しより先に、相手がその会社や商品を知っているかどうかで話の進み方が変わります。知らない会社からの電話は、それだけで警戒されます。どれだけトークを磨いても、最初の数秒で断られてしまえば中身を聞いてもらえません。

先に結論をお伝えします。認知がない新規事業や新商品こそ、営業の前にメディアに出て、掲載された事実を営業に使うのが近道です。記者に直接アプローチするメディアリレーションで新聞やWebメディアに取り上げられると、テレアポの冒頭で「新聞で紹介された商品です」と言えるようになり、相手の反応が変わります。

本記事では、新規事業の認知拡大で営業が止まる理由、メディアリレーションの基本、メディア掲載をテレアポにつなげる進め方、実際の支援事例、自社でやるか外部に頼むかの判断までをまとめました。

この記事の要点

  • 認知がない商品は、テレアポで比べてもらう前に断られやすい。営業より先に認知をつくる順番が効く
  • プレスリリースを配信するだけでは記者に届かないことが多い。記者に直接届けるメディアリレーションが必要
  • 掲載を狙う媒体は、営業したい相手が読んでいるものから逆算し、記者が書きたい切り口に企画し直す
  • 掲載されたら、テレアポのトーク、資料、ホームページにすぐ反映する。小さな掲載から積み上げると大きな掲載につながる
目次

新規事業・新商品の認知拡大で営業が止まる3つの理由

知らない会社の商品は、比べる前に断られる

机の上の電話

BtoBの新規開拓では、相手はすでに取引先や使っている商品を持っています。そこへ知らない会社から電話がかかってくると、多くの担当者は話を聞く前に断ります。断る理由は商品の中身ではなく、聞いたことがない会社だからです。とくに新規事業や新商品は、市場に比べる相手が少ないぶん、相手が判断する材料もありません。営業の電話が、相手にとっては判断できない話になってしまいます。

広告で認知を取るには、予算が足りない

認知を広げる方法として、まず思い浮かぶのは広告です。ただ、新規事業の立ち上げ期は予算が限られます。広告は出している間しか効果が続かず、広告だと分かると読み手の信用も上がりにくいものです。営業の電話を受ける担当者が、その広告を見ているとも限りません。

プレスリリースを配信しても、記者に届いていない

プレスリリースの配信サービスを使えば、多くのメディアに情報を送れます。ただ、記者の手元には毎日たくさんのリリースが届き、そのほとんどは読まれずに流れていきます。私たちが支援したクラフトコーラのメーカーも、ブームのころは配信するだけで取り上げられていましたが、ブームが落ち着くと配信だけでは反応がなくなっていました。配信はスタートであって、記者に読まれるところまでは別の手間がかかります。

メディアリレーションとは?BtoBの営業との関係

タイプライター

メディアリレーションとは、新聞、テレビ、雑誌、Webメディアの記者や編集者と関係をつくり、取材や掲載につなげる広報の活動です。プレスリリースを一斉に配信するのとは違い、記者一人ひとりの担当分野や過去の記事を調べ、その記者が書きたいテーマに合わせて情報を届けます。

やっていることは、BtoBの新規開拓とよく似ています。相手を調べてリストを作り、担当者を名指しで電話し、相手の関心に合わせて話を組み立てる。違うのは、相手が買い手ではなく記者であることだけです。

方法費用読み手からの信用営業での使いやすさ
広告出稿量に応じてかかる広告だと分かるため上がりにくい出している間だけ
プレスリリース配信配信1本ごとにかかる記事にならなければ変わらない配信しただけでは使いにくい
メディアリレーション人の手間がかかる第三者の記事として信用されやすい掲載後もトークや資料で使い続けられる

POINT:メディアに載ることは、広告ではなく第三者からの紹介として受け取られます。テレアポの相手にとっては、知らない会社が、新聞で紹介された会社に変わります。営業の前に認知をつくるという意味で、メディアリレーションは営業活動の一部と考えることができます。

メディア掲載がBtoBの営業にもたらす3つの効果

テレアポで話を聞いてもらえる理由ができる

マイク

テレアポで一番難しいのは、最初の数秒で相手に話を聞く理由を渡すことです。新聞やWebメディアで紹介されたという事実は、その理由になります。相手が記事を読んでいなくても、第三者が取り上げた商品だと分かるだけで、知らない会社からの売り込みという印象が薄れます。記事を読んでいた相手からは、「見ましたよ」と向こうから話を広げてもらえることもあります。

商談で、社内に説明しやすくなる

BtoBの商談では、担当者が気に入っても、上司や決裁者に説明して社内の了解を取る必要があります。新しい会社の新しい商品は、その説明が一番難しいところです。掲載記事があれば、担当者はそれを資料に添えて社内に回せます。営業の場にいない決裁者にも届く材料になるのが、メディア掲載の強みです。

問い合わせや紹介が生まれる

記事を読んだ人から、直接問い合わせが入ることもあります。こちらから電話をかけなくても、記事を見た会社や、その知り合いから声がかかる。テレアポで1件ずつ当たるのとは別の入口が、掲載をきっかけに生まれます。

時期PRでやること営業でやること
1か月目営業したい相手と、狙う媒体・記者を決める。切り口を考え、リリースを作る営業リストとトークを作り、反応を確かめ始める
2〜3か月目記者に電話とリリースでアプローチし、取材につなげる断り理由を集め、トークとリストを直す
掲載後掲載記事をホームページや資料に載せる掲載の事実を入れたトークで、改めて電話をかける

メディア掲載をテレアポの武器にする進め方

1. 営業したい相手が読んでいる媒体から逆算する

積まれた新聞

最初に決めるのは、どの媒体に載りたいかではなく、誰に営業したいかです。営業したい相手が読んでいる新聞、業界紙、Webメディアから逆算して、掲載を狙う媒体を選びます。全国紙だけが目標ではありません。業界紙や地方紙、地域の経済ニュースサイトでも、相手が読んでいれば営業では十分に使えます。

営業したい相手掲載を狙う媒体の例探し方
特定の業界の企業その業界の専門紙・業界紙業界団体のサイトや、競合が載った記事から媒体を探す
地域の企業・店舗地方紙、地域の経済ニュースサイト、地元のテレビ・ラジオ営業エリアの媒体で、同じジャンルの記事を書いている記者を探す
大手企業の担当部門全国紙の経済面、ビジネス系Webメディア関連テーマの記事の署名から、担当記者を探す
一般の消費者も含む商品生活・健康・グルメ系の雑誌やWebメディア、情報番組流行のテーマを扱った特集やコーナーから、担当者を探す

記者のリストは、媒体の代表番号を並べるだけでは足りません。過去の記事の署名や、似たテーマの特集を担当した記者まで調べて、一人ずつ名前の入ったリストにします。営業でいえば、代表番号のリストではなく、担当部署の直通番号と担当者名が入ったリストを作るのと同じ考え方です。

2. 記者が書きたい切り口に企画し直す

記者は、商品の宣伝を書きたいわけではありません。いま読者が関心を持っているテーマや、社会の動きにつながる話を探しています。そこで、商品の説明ではなく、記者が書きたいテーマの中で商品が登場する形に企画し直します。クラフトコーラのメーカーでは、商品そのものではなく、サウナや温泉、お酒を飲まない若い世代といった流行の切り口で記事を書いている記者に絞って届けました。

3. 記者は名指しで、電話とリリースを組み合わせる

記者へのアプローチは、営業の新規開拓と同じで、代表番号に電話しても担当者にはなかなか届きません。過去の記事から書いている記者を探し、名指しで連絡します。実際に、ある経済メディアの編集部からは、関連する分野を担当している記者を検索して名指しで呼び出してもらうほうが、適切な記者につながりやすいという返信をいただいたこともあります。電話で関心を確かめ、合いそうな記者にはリリースや資料を送って、もう一度電話をする。この積み重ねで取材が決まります。

4. 掲載されたら、トークと資料にすぐ入れる

掲載されたら、それで終わりにしないことが大切です。テレアポのトーク、営業資料、メールの署名、ホームページに掲載の事実を入れます。電話の冒頭で「〇〇新聞で紹介されたクラフトコーラです」と言えるだけで、相手が話を聞く理由ができます。

使う場所入れ方の例
テレアポのトーク冒頭の自己紹介のあとに、掲載された媒体名を一言添える
営業資料・提案書表紙の次のページに掲載記事を載せる
メール・送付状署名や本文の冒頭に掲載実績を入れる
ホームページメディア掲載の欄をつくり、記事へのリンクを置く

5. 小さな掲載から積み上げる

いきなり全国放送のテレビを狙うのは現実的ではありません。テレビは、新聞やWebメディアで紹介された話題を見て取材先を探すことが多いためです。まずは業界紙や地方紙、Webメディアで小さな掲載をつくり、それを積み上げていくと、大きな媒体の目にも留まりやすくなります。掲載が増えるほど、営業で使える材料も増えていきます。

POINT:メディアへのアプローチは、すぐに結果が出るとは限りません。私たちの支援でも、成果が出るまでは3か月ほどを目安にしています。新商品の発売や季節の行事に合わせるなら、2〜3か月前から準備を始めるのが目安です。

事例:メディア掲載が営業を後押しした2社

UMAMI COLA株式会社:産経新聞 東京版の1面に掲載され、営業の追い風に

サウナ

麹甘酒を使ったクラフトコーラを製造・販売するUMAMI COLA株式会社様では、温浴施設などの取扱店を増やすテレアポと並行して、メディアへのアプローチを支援しました。クラフトコーラのブームが落ち着き、プレスリリースを配信するだけでは取り上げられなくなっていた時期です。

そこで、営業をかけたいエリアの記者と、サウナや温泉、健康志向、お酒を飲まない若い世代といった切り口で記事を書いている記者をリストアップし、電話とリリースで直接アプローチしました。その結果、3か月の稼働で産経新聞 東京版の1面に掲載され、全国紙1社とラジオ1社の掲載・出演につながりました。掲載後は、新規のお客様から「新聞見たよ」という声をいただき、新しい取引先の獲得にもつながっています。テレアポで知らない会社として電話するのと、新聞で見た商品として電話するのとでは、相手の受け止め方が違うことを実感した事例です。

温浴施設へのテレアポでも、トークの中でメディアに取り上げられた実績を伝え、健康を意識したお客様に選ばれている商品だと説明していました。知られていない新しいジャンルの飲み物だからこそ、第三者に取り上げられた事実を、仕入れの責任者に話を聞いてもらう入口にしていました。PRと営業を別々に動かすのではなく、同じ相手に向けて組み合わせたことが、この案件のポイントでした。

株式会社フシミ:1回のリリースで7媒体に掲載

交通安全グッズのメーカーである株式会社フシミ様では、地元の高校生と組んだ取り組みをプレスリリースにまとめ、記者に個別にアプローチしました。1回のリリースで、テレビ1社、新聞2社、FMラジオ2社に取り上げられ、Yahoo!ニュースにも転載されて、合わせて7媒体に掲載されました。支援期間は3か月で、広告費をかけずにホームページへのアクセスが1.5倍になっています。商品の説明ではなく、地域の高校生と取り組む社会性のある話として企画したことが、多くの媒体に取り上げられた理由です。

自社でやるか、外部のPRのプロに頼むか

メディアリレーションは、社内でも始められます。ただ、記者のリストを作り、切り口を考え、電話とリリースを続けるには手間がかかります。新規事業の立ち上げ期は、営業や商品づくりで手いっぱいになりがちです。広報の担当者がいない、または片手間になっている場合は、外部のPRのプロに部分的に頼む方法もあります。

状況おすすめの進め方
広報担当がいて、リリースも出している記者への個別アプローチだけを外部に頼み、社内の配信を補う
広報担当がいない、社長や事業責任者が兼務している切り口づくりからリリース作成、記者アプローチまでまとめて頼む
まず効果を確かめたいリリース1本だけなど、必要な部分から小さく始めて、手応えを見て続ける

スリーグッドが運営するPR Directは、メディアに出たい企業と、広報PRの実務経験者を直接つなぐマッチングサービスです。業界や地域、つながりのある媒体を見て担当のPRパートナーをご提案し、プレスリリースの作成、記者へのアプローチ、掲載後の活用までを支援します。プレスリリースの作成だけ、記者へのアプローチだけといった部分的なご相談にも対応しています。初回のご相談とマッチングのご提案は無料です。依頼の期間や内容はご要望に合わせて決めており、6か月ほどのご依頼が多くなっています。料金はご相談内容に応じたお見積もりで、詳しくは料金プランをご覧ください。登録しているPRパートナーはPRパートナー紹介で紹介しています。

スリーグッドのテレアポと組み合わせる場合の進め方は、メディア露出で認知をつくる(PR Direct連携)のページでご紹介しています。

メディアに出たあとの営業も、スリーグッドがテレアポでお手伝いできます。掲載の事実を入れたトークで、営業したい相手に電話をかけるところまで一緒に進めます。営業代行の使い方は営業代行を初めて依頼するときの進め方にまとめています。

よくある質問

Q1. メディアに掲載されることは保証してもらえますか?

掲載の保証はできません。記者のもとには毎日多くの情報が届き、その中から選ばれるためです。その代わり、記者が取り上げやすい切り口への企画づくりと、記者への直接のアプローチに力を入れています。

Q2. BtoBの商材でもメディアに取り上げられますか?

取り上げられます。業界紙や経済メディア、地方紙など、BtoBの話題を扱う媒体は多くあります。商品そのものより、業界の課題や地域の取り組みといった切り口に置き換えると、記事にしてもらいやすくなります。

Q3. 新商品の発表がないと、PRはできませんか?

新商品がなくても進められます。社会の動きや季節の話題とつなげた企画、地域や学校と組んだ取り組みなど、記者が書きたいテーマに合わせて話題をつくります。

Q4. メディアに掲載されたら、営業でどう使えばいいですか?

テレアポのトークの冒頭、営業資料、メールの署名、ホームページなどに掲載の事実を入れます。相手が話を聞く理由になり、知らない会社からの電話という印象を変えられます。

Q5. どれくらいの期間で結果が出ますか?

商材や時期によりますが、最初の掲載までは3か月ほどを一つの目安にしています。記者のリストづくりと切り口の検証に1か月ほどかかり、その後のアプローチで掲載が決まっていく流れが一般的です。掲載を積み上げていくため、ご依頼の期間は6か月ほどが多くなっています。

代表・田中からひとこと

私は魚の卸のルート営業から営業の仕事を始め、京都・先斗町の和食店で1年間板場に立ったあと、光通信系の営業会社ではテレアポの成績1位も経験しました。営業代行を始めたのは、運営していた民泊がコロナで売上9割減になったことがきっかけです。今は自社でも陸上養殖魚の卸事業SAKANA DIRECTを運営し、自分たちの商材で毎月電話をかけています。

営業代行で200社以上の新規開拓を担当する中で、電話やメールだけでは届かない相手がいると感じ、2024年からメディアへのアプローチを始めました。記者のリストを作って名指しで電話をかけるのは、営業の新規開拓とほとんど同じ仕事です。知られていない商品を売るなら、営業の前に認知をつくる。その順番を、PR Directとテレアポの両方でお手伝いしています。

まとめ

  • 認知がない新規事業や新商品は、営業より先にメディアで認知をつくると、テレアポで話を聞いてもらいやすくなる
  • 掲載を狙う媒体は営業したい相手から逆算し、記者が書きたい切り口に企画し直して、記者に名指しで届ける
  • 掲載されたらトークや資料にすぐ反映し、小さな掲載から積み上げて大きな掲載につなげる

メディアに載ることは、ゴールではなく営業のスタートです。新聞やWebメディアで紹介された事実は、テレアポや商談で何度でも使えます。自社の商品でどんな切り口なら取材されそうか、まずはPR Directの広報のプロにご相談ください。

株式会社スリーグッド 代表取締役 田中祐貴
X:@threee_sales HP:threegood.net

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