「出店してくれそうな事業者に電話しても、受付で断られてしまう」「資料は送れるのに、商談まで進まない」「EC出店や加盟店の営業を、外部の営業代行がどこまで分かってくれるのか不安」。ECモールや宅配プラットフォーム、フランチャイズ本部、仕入れサイトで出店者や加盟店を集める担当の方から、こうしたご相談をよくいただきます。
プラットフォーム側の営業は、相手が「お客様」ではなく「一緒に売る事業者」になる点で、一般的な法人営業と少し性質が違います。相手は日々の店舗運営や受注対応で忙しく、知らない番号からの電話に時間を割く余裕がありません。さらに「出しても売れないのでは」という不安を持っているため、サービスの説明だけでは前に進みにくいのが実情です。
先に結論をお伝えします。出店者・加盟店の獲得は、トークより先に「どの状態の事業者に電話するか」でほぼ結果が決まります。同じトークでも、リストの切り方を変えるだけでアポイント数が数倍変わることは、私たちの現場の記録でも繰り返し出ています。
本記事では、EC出店営業・加盟店開拓を営業代行に任せるときの考え方、うまくいかない理由、進め方、実際の架電データ、料金の目安までを、株式会社スリーグッドの支援記録をもとに解説します。
この記事の要点
- EC出店営業・加盟店開拓の営業代行は、出店者や加盟店になり得る事業者を探し、商談の場をつくる仕事です。
- うまくいかない原因の多くは、決裁者に届かないこと、出店後の売上不安、リードの鮮度、プラットフォーム側の目標と現場のずれにあります。
- リストは業種や地域だけでなく、事業者の「今の状態」で切ると、同じ架電量でもアポイント数が大きく変わります。
- 最初の1〜2か月は、当たる条件を確かめる期間と考え、数字が出た条件を再現して広げるのが近道です。
EC出店営業・加盟店開拓の営業代行とは?

ここで扱うのは、プラットフォームを運営する企業が、出店者・加盟店・出展ブランドを増やすための営業です。「営業代行 EC」や「EC 出店営業 代行」で探される方の多くは、ECモールやショッピングアプリの運営会社で、出店事業者を増やしたい担当者です。また「加盟店開拓 営業代行」「出店者獲得 営業」で探される方には、フランチャイズ本部や宅配・デリバリーのプラットフォーム、卸の仕入れサイトの運営会社も含まれます。
どの形でも共通するのは、相手の事業者にとって「新しい販路が一つ増える」話だという点です。一方で、相手が気にするポイントや、電話に出る人は業態によって違います。主なパターンを整理すると次のとおりです。
| プラットフォームの種類 | 電話の相手 | よく出る懸念 |
|---|---|---|
| ECモール・ショッピングアプリの出店営業 | 他モールに出店中のEC事業者(店長・EC担当・代表) | 手数料、在庫連携の手間、既存モールの売上への影響 |
| 宅配・弁当プラットフォームの加盟店開拓 | 飲食店のオーナー・店長 | 配達や個数の対応ができるか、既存の直接取引との兼ね合い |
| フランチャイズ加盟オーナーの開拓 | 既存事業を持つ法人の経営者 | 初期投資、本業との相乗効果、人の確保 |
| 仕入れサイトの出展ブランド獲得 | メーカー・ブランドの営業責任者 | 卸価格の崩れ、取引先の質、ブランドの見え方 |
スリーグッドでは、ECモールのEC店舗出店営業、高級弁当の宅配プラットフォームの加盟店開拓、フランチャイズ加盟オーナーの開拓、仕入れサイトの出展ブランド獲得などを担当してきました。業界ごとの実績はプラットフォーム事業者向けの営業代行ページにまとめています。
出店者・加盟店の獲得がうまくいかない4つの理由
決裁者が電話に出ない

出店や加盟を決めるのは、多くの場合オーナーや代表、EC事業の責任者です。ところが、モールに掲載されている電話番号は注文やお客様対応の窓口であることが多く、営業の電話はそこで止まります。飲食店であれば、ランチやディナーの時間帯はそもそも電話に出られません。番号の種類と時間帯を考えずに架電量だけ増やしても、決裁者との会話はなかなか増えません。
「出しても売れないのでは」で止まる
事業者にとって出店や加盟は、手間と時間がかかる判断です。「初期費用はかかりません」と伝えても、商品登録や受注対応の負担、売れなかったときの徒労感を考えると、すぐには前向きになれません。サービスの特徴を並べるよりも、相手の今の課題、たとえば既存モールで売上が伸び悩んでいる、広告費が重くなっている、といった話から入るほうが会話は続きます。
問い合わせリードの鮮度が落ちている
資料請求や展示会の名刺など、手元にリードがあるのに商談につながらない、という相談もよくあります。多くの場合、接点を持ってから時間が経ち、相手の関心が下がっています。資料送付で止まった相手に後から電話しても、思い出してもらうところから始めることになり、回収は難しくなります。
プラットフォーム側の目標が現場と合わない
「年間○○店舗」「月○件の加盟」といった目標は、事業計画から逆算して決まることが多く、実際にどのエリアのどの業態なら反応があるのかを確かめる前に数字だけが決まりがちです。目標と現場のずれを放置したまま架電を続けると、数字が合わない理由が分からないまま時間が過ぎてしまいます。
EC出店営業・加盟店開拓の進め方
1. 業種や地域ではなく「状態」でリストを切る

最初に決めるのは、どんな状態の事業者に電話するかです。業種と地域だけでリストを作ると、出店の必要がない事業者や、そもそも対応できない事業者が多く混ざります。私たちは、公開されている情報から事業者の今の状態を読み取り、優先順位をつけてからリストを作ります。
| プラットフォーム | 優先する状態の例 | 後回しにする状態の例 |
|---|---|---|
| ECモール | 他モールで低単価商品を中心に販売している、出店から日が浅く販路を探している | 注文専用のフリーダイヤルしか載っていない、大手で販路戦略が固まっている |
| 宅配・弁当プラットフォーム | 弁当や仕出しを扱っている、テイクアウトを始めた、口コミ評価が一定以上ある | 配達や大口の個数に対応できない、業態が合わない |
| フランチャイズ本部 | 既存事業で店舗運営の経験がある、新規事業を探している | 本業が多忙で人の余裕がない |
| 仕入れサイト | 自社ECはあるが卸先が少ない、新商品を出したばかり | 既存の卸先との取引条件が厳しい |
POINT:リストは案件ごとに毎回新しく作ります。スリーグッドでは、作ったリストに20万社・150万部署の部署直通番号のデータベースを当て、担当部署につながる番号を付けています。代表番号のリストと比べると、担当者と会話できる数はおよそ2倍(100件中8件が16件になる計算)になります。
2. 番号の種類と架電の時間帯を合わせる
出店者・加盟店の開拓では、電話番号そのものが結果を左右します。ECモールの出店者リストには、固定電話、携帯電話、050番号、フリーダイヤルが混在しています。フリーダイヤルは注文専用であることが多く、営業の電話はつながっても担当部署まで届きません。携帯電話は代表者の直通であることが多い一方、不在が多くなります。番号の種類ごとに時間帯や再架電の間隔を変えると、同じリストでも着電率が変わります。飲食店であれば、仕込みの時間や営業時間外を狙うのが基本です。
3. 相手の言葉に合わせてトークを直す
トークは最初に作って終わりではなく、断られ方を見ながら直していきます。たとえばEC出店の営業では、こちらが使いたい言葉が相手にとっては警戒の合図になることがあります。後の事例で紹介するとおり、「販路拡大」という言葉を前に出すと、すでに販路戦略を決めている事業者ほど早く電話を切る傾向がありました。冒頭では相手の負担が増えないことを短く伝え、そのあとに相手の状況を聞く順番にすると、会話が続きやすくなります。
4. 「有効商談」で数え、資料送付は分けて追う
スリーグッドでは、成果を「有効商談」で数えます。資料送付の約束は数に入れません。出店者・加盟店の営業では「資料だけ送ってください」と言われることが多いのですが、ここを成果に入れると、数字は増えても加盟や出店はほとんど増えません。資料を送った相手は別の一覧で管理し、送付から日を空けずに追客の電話をかけます。
POINT:断り理由は毎回記録し、毎週の定例ミーティングで共有します。「手数料が合わない」「在庫連携ができない」「配達できない」といった理由の比率が見えると、リストから外すべき条件と、トークで返せる懸念を分けられます。
5. 最初の1〜2か月で当たる条件を確かめる
どのエリアのどの状態の事業者なら反応があるかは、実際に電話してみないと分かりません。そのため、最初の1〜2か月は条件を確かめる期間と考え、リストを複数に分けて同時に試します。数字が出た条件が見えたら、そこを再現して広げます。目標の数字は、この期間の結果を見てから決めるほうが、現場とのずれが小さくなります。
現場の記録:出店営業・加盟店開拓の架電データ
ECモールの出店営業(株式会社カウシェ)

株式会社カウシェ様では、2024年12月からEC店舗の新規出店営業のアポイント獲得を担当しています。他のECモールに出店している事業者をモール別にリスト化して架電したところ、モールによって結果がはっきり分かれました。
| 項目 | 低単価商品の多いモールの出店者 | 大手総合モールの出店者 |
|---|---|---|
| 担当者と話せる数 | 大きな差はない | 大きな差はない |
| アポイントの取れ方 | 決裁者に直接つながり、アポイントになりやすい | 受付で止まりやすく、アポイントになりにくい |
| リストの特徴 | 個人・小規模の事業者が多く、携帯番号が多い | 株式会社が大半で、注文専用のフリーダイヤルが多い |
前者のリストは個人や小規模の事業者が多く、携帯番号で決裁者に直接つながる割合が高くなっていました。後者は法人の比率が高く、注文専用のフリーダイヤルが多く含まれていたため、受付の段階で止まることが多くなりました。着電数そのものは大きく変わらなくても、話している相手が決められる人かどうかで、アポイント率にはっきりした差が出たことになります。
トークも3回直しています。最初は「販路拡大」を軸に訴求していましたが、大手総合モールの出店者には「販路はすでに決めている」という断りが最も多く、言葉そのものが断りのきっかけになっていました。そこで冒頭を「コストとリソースをかけずに新規顧客の獲得ができる」という言い方に変え、「販路拡大」は使わない形にしました。会話にはつながりやすくなった一方、会社の方針として出店先を決めている事業者の判断は変わらず、最終的にはリストの優先順位を見直すことで対応しました。
ほかにも、要件を聞く前に電話を切られる冒頭の断りが、着電の大半を占めた時期があります。また、資料送付で終わった先から後日アポイントになったのは、ごくわずかでした。資料送付を成果に入れない理由は、こうした記録にあります。同じアパレル系のリストでも、最初の月にまとまったアポイントが出たあと、翌月は反応が止まりました。一つのリストで取れる数には上限があるため、新しい条件のリストを月ごとに足していく運用にしています。こうした運用を続け、約9か月でアポイント200件、出店契約80件超(受注率40%)につながりました。
宅配弁当プラットフォームの加盟店開拓(社名非公開)
高級弁当の宅配プラットフォームでは、長く加盟店開拓を担当しています。全国で展開している一方で営業の拠点は限られ、営業の外注も初めてという状況からのスタートでした。直販の営業とエリアが重ならない地域を中心に、地方都市の飲食店へ架電しています。
ここでも差を生んだのはリストの切り方です。ある月は、ある地方都市で口コミの評価が一定以上の飲食店に絞ったリストから、その月のアポイントの半分以上が出ました。同じ月に、同じ県内の飲食店を広く集めたリストでは、店舗数はほぼ同じでもアポイントはわずかでした。
トークでは、すでに企業と直接取引のある店舗への返し方を用意しています。直接取引がある店舗は、むしろ大口の注文に対応できる体制があるということです。発注する側の企業の事情を伝えると、「手数料を払ってまで加盟する必要はない」という店舗とも会話が続くようになりました。弁当を扱う店やテイクアウトを始めた店を優先するリストと、こうした返し方を整えたことで、受注は安定して増えています。
なお、記録を見ると、呼出音のみで一度も話せていない店舗が少なくありません。飲食店は営業中に電話に出られないため、時間帯を変えた再架電が欠かせないことも記録から分かります。
料金と期間の目安

スリーグッドの営業代行は月額固定で、初期費用はかかりません。料金は対象となる事業者の数や工数によって変わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラン① | 大手・中堅・ニッチ市場・自治体向け:月20万〜50万円(税別、工数による) |
| プラン② | 中小企業・店舗向け:月50万〜200万円(税別、工数による) |
| 最低契約期間 | 2か月 |
| 稼働開始まで | ご契約日から標準14日 |
| 月額に含むもの | リスト作成(部署直通番号の付与を含む)、架電、毎週の定例ミーティング、レポート作成 |
| 別料金 | 商談代行、訪問の交通費、メール・フォーム営業など |
| 終了時にお渡しするもの | 使ったリスト、断り理由のデータ、トーク |
飲食店や小規模のEC事業者など、店舗単位で数多く当たる案件はプラン②、大手ブランドやメーカーに絞って当たる案件はプラン①になることが多いです。提案の段階で、リストと定例資料のサンプルをお送りしますので、進め方のイメージを確認してからご判断いただけます。初めて営業代行を使う方は、はじめて営業代行を依頼するときの進め方もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1. ECモールの出店営業も、飲食店の加盟店開拓も対応できますか?
はい、どちらも担当した実績があります。案件には、その業界の商材を担当した経験のあるメンバーだけをアサインします。初めての領域の場合は、契約前にその旨をお伝えします。
Q2. リストはこちらで用意する必要がありますか?
必要ありません。リストは案件ごとに新しく作り、部署直通番号を当てたうえで架電します。お手元に資料請求などのリードがある場合は、それも合わせて整理します。
Q3. 成果は何で数えますか?
有効商談で数えます。資料送付の約束などは数に入れません。資料を送った相手は別に管理し、追客の電話で商談につなげます。
Q4. どのくらいの期間で結果が見えますか?
最初の1〜2か月で、どの条件の事業者に反応があるかを確かめます。その結果を見てから、広げる条件と目標の数字を一緒に決めていきます。最低契約期間は2か月です。
Q5. 架電の品質はどう管理していますか?
通話は録音し、ディレクターが確認しています。採用時のロープレや30項目のトレーニングシートなど、品質の基準はBtoBQS(品質管理の基準)のページで公開しています。
代表・田中からひとこと
私は魚の卸のルート営業から営業の仕事を始め、京都・先斗町の和食店で1年間板場に立ったあと、光通信系の営業会社ではテレアポの成績1位も経験しました。営業代行を始めたのは、運営していた民泊がコロナで売上9割減になったことがきっかけです。今は自社でも陸上養殖魚の卸事業SAKANA DIRECTを運営し、自分たちの商材で毎月電話をかけています。
出店者や加盟店を集める営業は、電話の数を増やすほど成果が出るように見えて、実際にはどの状態の事業者に当てるかで結果が大きく変わります。だからこそ、架電の数よりも、どの状態の事業者に当たったら数字が動いたのかを、毎週の定例でお客様と一緒に確かめていきたいと考えています。
まとめ
- EC出店営業・加盟店開拓の結果は、トークより先にリストの切り方、つまり事業者の今の状態で大きく変わります。
- 番号の種類や架電の時間帯、相手の言葉に合わせたトークの修正で、決裁者と話せる数を増やします。
- 最初の1〜2か月で当たる条件を確かめ、有効商談につながった条件を再現して広げます。
ECモールの出店者獲得、宅配プラットフォームの加盟店開拓、フランチャイズ加盟オーナーの開拓、仕入れサイトの出展ブランド獲得は、どれも相手の事業者の状況を読むところから始まります。これまで200社以上の新規開拓を担当してきた経験をもとに、自社のプラットフォームに合う進め方をご提案します。事例や対応範囲はプラットフォーム事業者向けの営業代行ページでもご覧いただけます。
株式会社スリーグッド 代表取締役 田中祐貴
X:@threee_sales HP:threegood.net

