営業代行を探していると、会社だけでなく、個人で営業を請け負うフリーランス(個人事業主)も候補に挙がります。「会社より安そう」「でも、ちゃんと動いてくれるのか不安」。どちらに頼むか迷う方は少なくありません。
先に結論をお伝えすると、売る相手と伝え方が決まっていて、電話の手だけを増やしたいならフリーランス、まだ誰に売れるかを確かめる段階なら会社が向いています。
実は、営業代行会社の電話も、業務委託で働く個人が担っていることが少なくありません。当社の架電スタッフも、多くは業務委託で働く個人です。では、会社に頼む意味はどこにあるのか。この記事では、費用、品質、続けやすさの3つの観点で比べながら、当社がどう品質を保っているかもお伝えします。

この記事の要点
- フリーランスは費用と柔軟さが強み:決まった業務を、決まった期間だけ頼むのに向いています
- 会社は仕組みに払う:人の採用、教育、通話の確認、人が抜けたときの補充まで任せられます
- 決め手は商材の段階:売り方が決まっているか、これから確かめるのかで向く相手が変わります
フリーランス(個人事業主)の営業代行とは
フリーランスの営業代行とは、個人で営業の業務を請け負う人に、テレアポやメール営業、商談などを任せる形です。営業職の経験を持つ人が独立して活動しているケースが多く、マッチングサービスや紹介会社を通して探すのが一般的です。
料金は、時間単価や、アポイント1件ごとの成果報酬など、人によってさまざまです。会社に比べて固定の管理費がかからない分、費用を抑えやすいのが特徴です。
フリーランスと会社の比較
| 観点 | フリーランス(個人) | 営業代行会社 |
|---|---|---|
| 費用 | 管理費がかからない分、抑えやすい | 管理やディレクションの費用が含まれる |
| 立ち上がり | 合う人が見つかればすぐ始められる | 準備の期間がある(当社は契約日から標準14日) |
| 品質の確認 | 依頼する側が通話や結果を確認する | 会社側で録音の確認や教育を行う |
| 人が抜けたとき | その日から止まる | 別のメンバーを補充して続けられる |
| 量の増減 | 1人で対応できる量に限られる | 人数を増やして架電数を上げられる |
| リストと改善 | 本人の経験と力量による | 反応を見てリストやトークを入れ替える仕組みがある |
| 向いている場面 | 売り方が決まっていて、手だけ足りない | 売れる相手を確かめたい、量を増やしたい |
フリーランスの探し方と、料金の形
フリーランスの営業代行を探す方法は、大きく3つあります。営業代行のマッチングサービスで募集する、フリーランスを紹介する会社を通す、知り合いやSNSのつながりで直接頼む、のいずれかです。
料金の形は、主に時間単価と成果報酬に分かれます。
| 料金の形 | よいところ | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 時間単価 | 電話の量と時間が読みやすく、相手を絞った丁寧な電話もお願いしやすい | 結果が出なくても費用がかかる。何に時間を使ったかを報告してもらう必要がある |
| 成果報酬(アポイント1件ごと) | 結果が出た分だけ払えばよい | 件数を取りやすい相手に寄りやすい。アポイントの基準を細かく決めておく必要がある |
どちらの形でも、何を1件と数えるのか、どんな報告をしてもらうのかを、始める前に決めておくことが大切です。
フリーランスに頼むメリット
費用を抑えやすい
会社に頼むと、架電の時間に加えて、管理やディレクションの費用がかかります。フリーランスなら、その分を抑えられます。
合う人に出会えれば、柔軟に動いてもらえる
業界の経験がある人や、話し方が商材に合う人に出会えれば、細かな相談にも柔軟に応じてもらえます。短い期間だけ試したいときにも頼みやすい形です。
フリーランスに頼むときの注意点
人が抜けると、その日から止まる
体調を崩した、別の仕事が忙しくなった。個人に頼む以上、こうしたことで電話が止まるのは避けられません。代わりの人を探し、一から説明し直すのは依頼する側の仕事になります。
品質を確かめるのは、依頼する側
どんな話し方で電話しているのか、断られたあとにどう返しているのか。通話を聞いて確かめる仕組みがなければ、報告の件数だけで判断することになります。
量を増やしにくい
反応のよい相手が見つかって、もっと電話を増やしたいと思っても、1人で対応できる量には限りがあります。人を増やすたびに、探して教える手間がかかります。
フリーランスに頼んでうまくいかない、よくある3つのケース
1. 渡したリストが古い、合っていない
フリーランスには、依頼する側がリストを渡すことが多くなります。そのリストが何年も前のものだったり、売れる相手とずれていたりすると、どれだけ上手な人でも結果は出ません。当社が担当した広告や集客の会社の案件では、新しく店を出した直後の店舗に絞ったリストの架電アポ率が3.7%だったのに対し、過去のリストへの再架電は0.3%でした。人の力量より先に、リストの差が結果に出ます。
2. 成果報酬で、件数を取りやすい相手に寄る
アポイント1件ごとの成果報酬にすると、受ける側は件数を取りやすい相手に電話を寄せたくなります。その結果、商談にならないアポイントが増えることがあります。成果報酬で頼むなら、どんな相手のどんなアポイントを1件と数えるのかを、細かく決めておく必要があります。
3. 終わったあと、何も残らない
個人に頼んでいた期間の通話の記録や、断られた理由が残っていないと、次に誰かに頼むときも、社内で電話するときも、一からやり直すことになります。どこに、何を残してもらうのかは、始める前に決めておきましょう。
フリーランスに頼むなら、始める前に決めておきたいこと
- 業務の範囲:リストを作るところからか、渡したリストに電話するだけか。商談の日程調整まで任せるか
- 報告の方法と頻度:日ごとの件数だけでなく、断られた理由や相手の反応を、どこにどう残してもらうか
- 通話の確認:録音を共有してもらえるか。定期的に通話を聞く時間を社内で取れるか
- 情報の扱い:リストや顧客の情報をどこで管理し、終了時にどう返してもらうか
- 休むときの連絡:体調不良などで電話できない日の連絡方法と、代わりの手配をどうするか
- 終了時に残すもの:使ったリスト、断り理由、トークを、次に引き継げる形で残してもらうか
個人に頼む場合、こうした管理は依頼する側の仕事になります。逆に言えば、この管理を社内でできるなら、フリーランスでも十分に結果を出せます。
会社に頼むと何が違うのか。当社の品質の保ち方
当社の架電スタッフも、多くは業務委託で働く個人です。それでも会社として仕事を受けられるのは、人を集め、教え、確かめる仕組みを持っているからです。当社では、次のような形で品質を保っています。
- 採用時のロープレ:採用のときに必ずロールプレイを行い、話し方と受け答えを確かめます
- 通話の記録と確認:通話は録音し、ディレクターがログを見て、断られたあとの返し方や、相手の反応が薄いまま締めに進んでいないかを確認します
- 基準と評価:1時間あたりの架電数などの基準を決め、毎月の振り返りで評価します。案件の性質に合わせて、基準は変えています
- ディレクターの役割:架電スタッフの窓口になり、数字が急に変わったメンバーの原因を調べ、トークを直します
- 固定のメンバー:案件ごとにメンバーを固定し、似た案件を担当したことのある人を優先して入れます
こうした基準は、品質管理の仕組みとして「BtoBQS(BtoB Quality System)」にまとめて公開しています。

通話の振り返りで見ていること
ディレクターが通話の記録を振り返るときは、件数よりも話の運び方を見ています。たとえば、次のような点です。
- 相手の反応が薄いまま、締めの一言に進んでいないか
- 断られたときに、すぐ引き下がらず、まず相手の状況を聞いているか
- 一度断られかけた話を立て直せたか(立て直せた場合は評価を上げる)
- トークが長すぎて、相手が聞き疲れていないか(長い場合はディレクターと一緒に削る)
こうした振り返りを、1人ずつの面談で共有しています。新しく入ったメンバーには、本番の前に必ずロールプレイを行います。
人を足して、量を増やせる
ある案件では、月末に架電数が計画に届かなかったため、最終週にメンバーを1人追加して架電数を増やしました。会社に頼むと、こうした調整を依頼する側が手配しなくて済みます。
会社に頼む場合も、確かめておきたいこと
会社に頼めば安心、というわけではありません。会社によっては、電話をかけるのは個人で、管理はほとんどしていない、ということもあります。会社に頼む場合も、次の点は確かめておきましょう。
- 実際に電話をかけるのは誰で、どんな経験のある人か
- 通話を誰が、どのくらいの頻度で確認しているか
- 電話をかける人が抜けたとき、どう補充するか
- 人数を増やすとき、教育をどうしているか
会社とフリーランスを組み合わせる方法
どちらか一方に決めなくても、段階によって使い分ける方法もあります。最初の2か月は会社に頼んで、どの相手に、どんな伝え方をすれば話を聞いてもらえるかを確かめます。売れる相手と伝え方が決まったら、そのリストとトークを使って、社内やフリーランスで電話を続けます。
この形をとるには、会社に頼む段階で、使ったリスト、断り理由のデータ、トークを受け取れることが前提になります。当社では、この3つを終了時にすべてお渡ししています。
どちらに頼むかを決める3つの質問
1. 売る相手と伝え方は決まっているか
決まっているなら、決まった業務を任せるだけなので、フリーランスでも十分です。まだ決まっていないなら、リストの切り口を比べて入れ替える仕組みがある会社の方が、早く答えにたどり着けます。
2. 品質を確かめる時間を社内で取れるか
通話を聞いたり、トークを直したりする時間を社内で取れるなら、フリーランスでも品質を保てます。その時間がないなら、確認の仕組みごと任せられる会社が向いています。
3. 量を増やす予定があるか
反応がよければ電話を増やしたい、という前提なら、人数を調整できる会社の方が対応しやすくなります。
| 今の状況 | 向いている相手 |
|---|---|
| 売り方が決まっていて、手だけ足りない | フリーランス |
| 短い期間だけ、決まった業務を試したい | フリーランス |
| まだ売れる相手が分からない | 営業代行会社 |
| 社内に品質を確かめる人がいない | 営業代行会社 |
| 反応を見て量を増やしたい | 営業代行会社 |
会社とフリーランス以外も含めた、営業代行のタイプごとの違いは「営業代行の選び方|5つのタイプの比較表」にまとめています。
よくある質問
- 個人事業主(フリーランス)の営業代行と会社の違いは何ですか
-
フリーランスは費用を抑えやすく柔軟に動いてもらえる一方、人が抜けると止まり、品質の確認は依頼する側が担います。会社は、採用、教育、通話の確認、人の補充まで任せられる分、管理の費用がかかります。
- フリーランスの営業代行の費用はどのくらいですか
-
時間単価やアポイント1件ごとの成果報酬など、人によってさまざまです。会社に比べて管理の費用がかからない分、抑えやすい傾向があります。
- 営業代行会社の電話も、個人が担当しているのですか
-
会社によりますが、業務委託で働く個人が電話を担うことは珍しくありません。当社の架電スタッフも多くは業務委託の個人です。違いは、採用時のロープレ、通話の確認、基準による評価など、品質を保つ仕組みを会社が持っているかどうかです。
- フリーランスに頼んで、うまくいかなかった場合は相談できますか
-
できます。これまでのリストや通話の記録、断られた理由が分かれば、何が合っていなかったのかを切り分けてから始められます。
- 会社に頼む場合、どのくらいで始められますか
-
当社の場合は、ご契約日から標準14日で稼働を始めます。最低契約期間は2か月です。
- フリーランスにはどこで頼めますか
-
営業代行のマッチングサービスで募集する、フリーランスを紹介する会社を通す、知り合いやSNSのつながりで直接頼む、といった方法があります。
- 最初は会社に頼み、あとでフリーランスや社内に切り替えることはできますか
-
できます。当社では終了時に、使ったリスト、断り理由のデータ、トークをお渡ししているので、売れる相手と伝え方を確かめたあと、社内やフリーランスで続けることができます。
代表・田中からひとこと
当社の架電スタッフも、多くは業務委託で働く個人です。だからこそ、個人に頼むことの良さも、難しさもよく分かります。良い人に出会えれば、会社に頼むより早く結果が出ることもあります。
会社として私たちが提供しているのは、人そのものより、人が入れ替わっても、人数が増えても、電話の質を落とさない仕組みです。自社に今その仕組みが必要かどうかで、選んでいただければと思います。
まとめ
フリーランスと会社のどちらに頼むかを決めるポイントは、次の3つです。
- 売る相手と伝え方が決まっていれば、フリーランスでも十分
- まだ確かめる段階なら、リストと伝え方を入れ替える仕組みがある会社
- 品質を確かめる時間がない、量を増やしたいなら、会社に仕組みごと任せる
どちらが合うか迷っている方は、商材と今の営業体制をお聞かせください。フリーランスの方が合う場合も、そうお伝えします。

