「テレアポはもう古い」「断られてばかりで、続けるのがきつい」。BtoBの新規開拓で、テレアポにそんな印象を持っている方も多いと思います。メールやWeb広告、ウェビナーなど、新規開拓の手段は増えました。
それでも当社は、BtoBの新規開拓では、今もテレアポが最も効率のよい手段の一つだと考えています。ただし条件があります。結果はトークの上手さより、誰に電話するかで決まるということです。同じ商材でも、リストの切り方を変えるだけで、アポイント率は10倍以上変わります。
この記事では、電話による新規開拓を担当してきた立場から、テレアポがBtoBの新規開拓に効く理由と、アポイント率を左右するリストの切り方、見るべき数字を、実際の数字とあわせて解説します。

この記事の要点
- テレアポは担当者に直接届く:今まさに課題を抱えている相手と、その場で話ができます
- 結果はリストで決まる:新しく店を出した直後の店舗に絞ったリストは架電アポ率3.7%、過去のリストへの再架電は0.3%でした
- 数字は分けて見る:架電数、つながった割合、つながってからアポになった割合を分けると、直すべき場所が分かります
BtoBの新規開拓にテレアポが効く3つの理由
1. 担当者に直接届く
Web広告やメールは、相手が見てくれるのを待つ手段です。テレアポは、こちらから担当者に話しかけられます。部署の直通番号に電話すれば、代表番号の受付で止まらずに、決める立場に近い人と話せます。
2. 相手の反応をその場で聞ける
電話では、断られた理由をその場で聞けます。今は予算がない、すでに別の会社を使っている、時期が合わない。こうした理由を集めると、どんな相手に、いつ、何を伝えればよいかが見えてきます。メールでは、返信がない理由は分かりません。
3. 結果が出るまでが早い
広告やコンテンツは、効果が出るまでに時間がかかります。テレアポは、始めたその週から反応が返ってきます。新しい商材や新しい市場で、どんな相手に売れるかを早く確かめたい場面では、特に向いています。
テレアポと、ほかの新規開拓の手段の比較
| 手段 | よいところ | 気をつけたい点 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| テレアポ | 担当者に直接届き、反応と断り理由をその場で聞ける | 相手の選び方を誤ると、断られ続けて疲弊する | 売れる相手を早く確かめたい、決める人に直接届けたい |
| メール・フォーム営業 | 一度に多くの相手に送れる | 読まれたかどうか、断りの理由が分からない | 電話の前に情報を届けておきたい |
| Web広告 | 検討中の人に見つけてもらえる | 費用がかかり続け、BtoBでは決める人に届きにくいことも | すでに検索されている商材 |
| 展示会 | 一度に多くの人と会える | 来場者が狙う相手と合わないことがある。名刺のあとのフォローが必要 | 業界が決まっていて、実物を見せたい商材 |
どれか一つに決める必要はありません。テレアポで売れる相手を確かめてから広告の出し先を決める、展示会で集めた名刺に電話でフォローする、といった組み合わせも有効です。展示会の名刺への電話は「展示会・ハウスリードのフォロー」で紹介しています。
テレアポの結果は、リストで決まる
テレアポがきついと感じる一番の理由は、話を聞く必要のない相手に電話を重ねていることです。断られ続けるのは、トークが下手だからとは限りません。そもそも電話している相手が合っていないことが多いのです。
| 案件 | リストの切り方 | 結果 |
|---|---|---|
| 店舗向けの集客支援 | 新しく店を出した直後の店舗に絞った | 架電アポ率3.7% |
| 同上 | 過去のリストに再架電した | 架電アポ率0.3% |
| 自治体向けの人流データ分析 | 担当課を絞り込んだ | 架電アポ率7.0% |
| 自社の養殖魚の飲食店向け卸 | その食材を過去に扱い、仕入れ先を失った店に絞った | 208社に架電して有効商談33件 |
同じ商材でも、相手の選び方を変えるだけで、結果はこれだけ変わります。テレアポで結果を出すために最初に見直すべきなのは、トークより先にリストです。
企業の状態でリストを切る
業種や従業員数といった属性だけでなく、新しく店を出した、採用を増やしている、新しい事業を始めた、といった企業の状態でリストを切ると、話を聞いてもらえる相手に早くたどり着けます。状態が変わったばかりの会社は、新しい課題を抱えていることが多いからです。
部署の直通番号で担当者に届ける
大手や中堅の企業は、代表番号に電話しても受付で止まりがちです。当社は、20万社・150万部署の直通番号のデータベースを持っており、案件ごとに作ったリストに部署の直通番号を当てて電話します。
商材ごとに、電話する部署は変わります。たとえば次のような形です。
| 商材の例 | 電話する部署の例 |
|---|---|
| 研修・人材育成のサービス | 人事部、人材開発部 |
| 採用支援・人材紹介 | 人事部、採用担当 |
| 広告・集客の支援 | マーケティング部、販売促進部、店舗の責任者 |
| 自治体向けの防災システム | 危機管理課、防災担当課 |
| 自治体向けのDXサービス | 情報政策課、DX推進課 |
テレアポがきついと感じる理由と、その対処
- 断られ続ける:話を聞く必要のない相手に電話していることが多い。企業の状態と部署でリストを切り直す
- 何を直せばいいか分からない:件数しか見ていない。つながる割合と、つながってからの割合を分けて見る
- 同じことの繰り返しに感じる:断られた理由を集めていない。毎週集めてトークを直すと、手応えが変わる
- 社内で続ける人がいない:本業の合間では続かない。最初の期間だけ外に任せ、売れる相手と伝え方が分かってから社内に戻す
テレアポのきつさは、電話という手段そのものより、進め方の問題であることがほとんどです。
テレアポで見るべき数字
| 数字 | 意味 | 低いときに見直すこと |
|---|---|---|
| 架電数 | 電話をかけた件数 | 1時間あたりの件数と、リストの電話番号の欠けを確認 |
| 着電率 | 担当者や決める人と話せた割合 | 電話する時間帯、部署の直通番号、受付での伝え方 |
| 着電後のアポイント率 | 話せた相手のうち、アポイントになった割合 | 最初の一言、相手の状態とトークが合っているか |
| 有効商談の数 | 実際に商談として意味のあったアポイント | 成果の数え方と、リストの相手の選び方 |
架電アポ率だけを見ると、何を直せばよいかが分かりません。ある案件では、話せた相手からアポイントになる割合は十分だったのに、そもそも担当者につながる割合が低いことが分かりました。入口の一言を、相手の部署が抱えていそうな課題に変えたところ、担当者につながる割合が大きく上がりました。
瓶ラムネのメーカーの飲食店・温浴施設向けの開拓では、1か月で894コールをかけ、有効商談42件でした。架電アポ率は4.7%ですが、担当者と話せた場合に限ると23.7%がアポイントになっています。話せればアポイントになる、という見立てができれば、次に直すのは、つながる割合の方です。
アポイント率を上げる工夫
電話する時間帯を相手に合わせる
担当者が電話に出やすい時間は、業種や部署で違います。飲食店なら開店前や中休み、オフィスなら朝や昼過ぎなど、つながった時間を記録して、反応のよい時間に寄せていきます。
電話番号やリストの欠けを、先に整える
リストの中には、電話番号が空欄の先や、すでに移転している先が混じっていることがあります。こうした先を電話の前に整えておくだけで、無駄な時間が減ります。
1時間あたりの件数は、相手で変える
店舗のように短い会話で済む相手と、自治体や大手企業のように丁寧に話を聞く相手では、1時間にかけられる件数が違います。件数の目標を一律にすると、丁寧に聞くべき相手との会話が雑になります。当社では、案件の性質に合わせて件数の基準を変えています。
一度断られた相手にも、時期と切り口を変えて電話する
今は必要ない、と断られた相手は、時期が変われば話を聞いてくれることがあります。株式会社Cqreeの冷凍自動販売機の案件では、過去に商談したものの決まらなかった先に、中古機を使って費用を抑えられるという新しい切り口で電話し直し、改めてアポイントにつなげました。
断られた理由を集めて、トークを直す
断られた理由を毎週集めて、多い理由への返し方をトークに加えます。まず資料を送ってほしいと言われたら、届いたころに電話する日時を先に決めてから送る、といった細かな工夫の積み重ねが、アポイント率を変えます。
実例:テレアポの進め方を変えて結果が変わった案件
他社の営業代行から切り替えた、官公庁向けのPOSレジ
キャッシュレス決済端末とPOSレジを官公庁に提案する案件は、他社の営業代行で期待した件数が取れず、切り替えのご相談をいただいたものでした。部署の直通番号と担当者の名前を調べてから電話し、有効商談で得た情報を近隣の市役所や県庁への訴求に使った結果、アポイント率6.2%、月50件以上のアポイントを半年以上続けました。
資料送付のあとの電話で商談をつくった、自治体向けの人流データ分析
人流データ分析サービスを自治体に提案した案件では、担当課を絞り込んだリストで架電アポ率7.0%でした。その場でアポイントにならなかった相手にも、資料を送ったあとに電話でフォローし、資料送付先の約30%が有効商談につながりました。テレアポは、1回の電話で終わりではなく、資料送付のあとの電話まで含めて設計すると結果が伸びます。
テレアポの新規開拓、最初の2か月の進め方
| 時期 | 進めること |
|---|---|
| ご契約から稼働まで | 商材と、これまで売れてきた相手をうかがい、リストの切り口を複数用意します。稼働開始はご契約日から標準14日です |
| 1か月目 | 複数の切り口で電話し、つながる割合と、つながってからアポになる割合を比べます。断られた理由も記録します |
| 2か月目 | 反応のよかった切り口に寄せ、トークを整えます。資料送付先へのフォローの電話も始めます |
| 3か月目以降 | 当たった条件を再現しながら、電話の量を広げていきます |
テレアポを外に任せるか、社内でやるか
社内でテレアポを続けるのがきつい、と感じる理由の多くは、断られ続けることの精神的な負担と、リストを作り直す時間がないことです。外に任せると、この2つを仕組みごと任せられます。
一方で、売る相手と伝え方が決まっていて、社内に電話をかける人がいるなら、社内で続けるのも十分に有効です。最初の2か月だけ外に任せて、売れる相手と伝え方を確かめ、そのリストとトークを使って社内で続ける、という使い方もできます。外に任せる場合の選び方は「営業代行の選び方」で、新規開拓の進め方は「新規開拓の営業代行」で紹介しています。
よくある質問
- BtoBの新規開拓で、テレアポのアポイント率はどのくらいですか
-
商材とリストで大きく変わります。当社が担当した案件では、新しく店を出した直後の店舗に絞ったリストで3.7%、過去のリストへの再架電では0.3%でした。自治体の担当課を絞り込んだ案件では7.0%です。
- テレアポはもう古いのではないですか
-
手段としては古いですが、担当者に直接届き、反応をその場で聞けるという強みは今も変わりません。結果が出ない原因の多くは、電話という手段より、電話している相手の選び方にあります。
- テレアポがきついと感じるのはなぜですか
-
話を聞く必要のない相手に電話を重ねているからです。企業の状態でリストを切り、担当部署に直接届けるようにすると、断られる回数そのものが減ります。
- テレアポ代行を頼むと、どのくらいで始められますか
-
当社の場合、ご契約日から標準14日で稼働を始めます。最初の2か月で、どの相手に反応があるかを確かめます。
- テレアポ代行の費用はどのくらいですか
-
当社は月額固定で初期費用はなく、相手を絞って進める場合は月20万〜50万円が中心です。
- テレアポとメール営業は、どちらがよいですか
-
目的で使い分けます。担当者に直接届けて反応や断り理由を聞きたいならテレアポ、電話の前に情報を届けておきたいならメールが向いています。組み合わせると、資料を送ったあとの電話で商談につなげやすくなります。
- 一度断られた会社に、もう一度電話してもよいですか
-
時期と切り口を変えれば有効です。断られた理由が時期や予算であれば、状況が変わったころに、新しい切り口で電話し直すと話を聞いてもらえることがあります。
代表・田中からひとこと
私は、魚の卸のルート営業から仕事を始めました。飛び込みも電話もたくさんしましたが、売れるときは、相手に今その理由があるときでした。トークを磨くより、誰に電話するかを考える方がずっと結果につながる。この感覚は、営業代行を始めてからも変わっていません。
テレアポがきついと感じている方こそ、一度リストを見直してみてください。電話の相手が変われば、同じトークでも反応は変わります。
まとめ
BtoBの新規開拓でテレアポの結果を出すポイントは、次の3つです。
- トークより先に、企業の状態と部署でリストを切る
- 架電数、つながった割合、つながってからアポになった割合を分けて見る
- 断られた理由を集めて、時期と切り口を変えて電話し直す
新規開拓のテレアポでお悩みの方は、商材と、これまで売れてきた相手をお聞かせください。どの相手に、どんな切り口で電話するのがよいかをご提案します。

