「営業代行を使ってみたいが、何から頼めばいいのか分からない」「問い合わせる前に、何を準備しておけばいいのか知りたい」「頼んだのに成果が出なかった、という話を聞いて不安になる」。営業代行を初めて検討する方から、私たちはこうしたご相談をよくいただきます。
営業代行の会社は数が多く、料金の形も、任せられる範囲も、会社によって違います。初めての方にとっては、比べる以前に、そもそも何を確認すればいいのかが分かりにくいサービスです。
先に結論をお伝えします。営業代行を初めて頼むときに一番大切なのは、委託先を選ぶことよりも、最初の2か月を何のための期間にするかを決めておくことです。最初の2か月は、売れる相手と伝え方を確かめる期間です。ここを決めずに始めると、短い期間で結果だけを求めることになり、何も分からないまま契約が終わってしまいます。
本記事では、営業代行の基本、依頼から稼働開始までの流れ、事前に準備しておくもの、費用と期間の目安、委託先に契約前に確認すること、最初の2か月の過ごし方を、200社以上の新規開拓を担当してきた現場の記録をもとに解説します。
この記事の要点
- 営業代行とは:新規開拓の営業を、社外のチームに任せるサービス。任せる範囲は会社によって違う
- 依頼の流れ:相談、提案、契約、キックオフ、準備、稼働の順。契約から稼働までは2週間ほど
- 事前の準備:売りたい商材の資料、受注した事例、アプローチしてほしくない会社の一覧
- 最初の2か月:アポの件数だけでなく、どの相手に反応があるかを確かめる期間にする
営業代行とは?初めての方が最初に知っておきたいこと
営業代行とは、自社の営業活動の一部または全部を、社外の専門チームに任せるサービスです。新しい取引先を開拓する場面で使われることが多く、電話でのアポイント獲得、メールやフォームでの接触、商談の代行など、任せられる範囲は会社によって違います。
初めての方がまず押さえておきたいのは、営業代行で任せられる業務は、大きく次の4つに分かれるということです。
| 業務 | 内容 | 任せる会社の例 |
|---|---|---|
| リスト作成 | どの会社のどの部署に連絡するかを決め、一覧にする | ターゲットは決まっているが、一覧を作る手が足りない |
| アポイント獲得 | 電話などで担当者に連絡し、商談の約束を取る | 商談はできるが、新しい相手との接点が足りない |
| 商談 | アポイントを取った相手に、サービスを説明する | 営業担当がいない、または遠方の商談に行けない |
| 改善の報告 | 断られた理由や反応を集め、次の打ち手に生かす | どの相手に売れるのか、まだ分かっていない |
スリーグッドの場合、標準の月額にはリスト作成、架電によるアポイント獲得、毎週の定例ミーティング、レポート作成が含まれます。商談の代行は商談代行として別に組み合わせる形です。電話での新規開拓の進め方は「新規開拓の営業代行」で紹介しています。
POINT:初めての方は、アポイントの件数だけを委託先に任せがちです。ただ、新規開拓で一番価値があるのは、断られた理由や、反応があった相手の共通点といった情報です。改善の報告まで任せられるかどうかで、2か月後に手元に残るものが大きく変わります。
営業代行を初めて依頼する会社が増えている理由
営業代行を初めて検討する会社には、よく似た事情があります。私たちが受けるご相談の中で多いのは、次の3つです。
1. 新しい商品やサービスを出したが、売る人がいない
新規事業の立ち上げ直後は、商品を作る人はいても、売る人がいないことがよくあります。営業担当を採用するには時間がかかり、採用しても育つまでにさらに時間がかかります。まず外部のチームで売れる相手を確かめ、社内の営業組織はそのあとに作るという順番を選ぶ会社が増えています。
2. 既存の顧客だけでは売上が伸びなくなった
紹介や既存顧客からの追加注文で成り立ってきた会社が、次の成長のために新しい顧客層を開拓したい、という相談です。社内の営業担当は既存顧客の対応で手一杯で、新規開拓に時間を割けません。
3. 社内で電話営業をしたが、続かなかった
社内で電話営業を試したものの、担当者が疲弊して続かなかった、という相談も少なくありません。電話での新規開拓は、リストの作り方、話し方、断られたあとの記録の取り方まで、続けるための仕組みが必要です。仕組みごと外部に任せたい、という考え方です。
依頼から稼働開始までの流れ
営業代行の依頼は、一般的に次の流れで進みます。スリーグッドの場合の目安とあわせてまとめました。
| 段階 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1. 相談 | 商材、狙いたい相手、これまでの営業の状況を伝える | 問い合わせから1営業日以内に返信 |
| 2. 提案 | 委託先が、狙う相手の仮説、進め方、稼働量、料金を提案する | ヒアリングのあと |
| 3. 契約 | 期間、稼働量、料金、報告の方法を決めて契約する | — |
| 4. キックオフ | 社内の担当者と委託先で、ターゲット、報告方法、定例の日時をすり合わせる | 1時間ほど |
| 5. 準備 | 委託先がリストとトークを作り、社内で確認する | 契約日から稼働開始まで標準14日 |
| 6. 稼働 | 架電を始め、日次で結果を共有し、毎週の定例で直す | 最低2か月 |
初めての方が意外に感じるのは、キックオフと準備の段階です。ここで社内から委託先に渡す情報が多いほど、最初の1か月の立ち上がりが早くなります。
ある組織開発サービスの会社のキックオフでは、1時間ほどの打ち合わせで、連絡手段はメール、定例は毎週月曜の午後に30分、アポイントと資料送付の希望は共有のスプレッドシートにまとめる、と決めました。ターゲットは従業員300〜1,000名の成長企業を仮説に置き、すでに受注している会社と交渉中の会社はリストから外すことにしました。約1週間でリストとトークを準備し、テストコールに入っています。
依頼する前に準備しておきたいもの
営業代行は、委託先にすべてを任せれば動くものではありません。社内にある情報を最初に渡せるかどうかで、立ち上がりの速さが変わります。スリーグッドがキックオフの前にお願いしている事前確認の項目から、特に大事なものを挙げます。
| 準備するもの | なぜ必要か |
|---|---|
| 営業資料一式 | トークの土台になる。サービスの強みをどう伝えているかが分かる |
| 受注した事例(複数) | お客様が抱えていた課題、選ばれた理由、導入後の変化が分かると、話す内容の精度が上がる |
| 直近の商談で反応が良かった内容 | どの話に相手が乗ってくるかが分かる |
| アプローチしてほしくない会社の一覧 | 既存の顧客、交渉中の会社、ほかの代行会社が当たっている会社に重ねて連絡しないため |
| 日程調整の方法と商談のツール | アポイントを取ったその場で日程を押さえるため |
| 過去の架電の記録やトーク(あれば) | 何が良くて何が悪かったかを、最初から分析に使える |
すべてがそろっていなくても始められます。受注事例がまだない新しいサービスであれば、なぜこのサービスを作ったのか、どんな人に使ってほしいのか、という背景の話がトークの入口になります。実際に、創業間もない研修会社の案件では、代表の前職での経験を最初に伝えると、話を聞いてもらえることが多くありました。
POINT:ほかの営業代行会社と並行して依頼する場合は、相手のリストを共有してもらえるか確認しておきましょう。同じ会社に二重に電話すると、相手から「前にも電話があった」と言われてしまいます。ただ、代表番号に電話する会社と、部署の直通番号に電話する会社では、同じ会社でもつながる先が違うため、会社名だけで機械的に外さないほうがよい場合もあります。
営業代行の費用と期間の目安
初めての方が一番気にされるのが、費用と期間です。営業代行の料金の形は、大きく月額固定と、アポイントの件数に応じて払う形があります。スリーグッドは月額固定で、初期費用はいただいていません。
| 項目 | スリーグッドの目安 |
|---|---|
| 料金の形 | 月額固定(初期費用なし) |
| 月額の目安 | 月20万〜50万円が中心。架電量を増やしたい場合は、工数に応じて個別にお見積もり |
| 最低契約期間 | 2か月 |
| 稼働開始 | ご契約日から標準14日 |
| 月額に含むもの | リスト作成、架電、毎週の定例ミーティング、レポート作成 |
| 終了時にお渡しするもの | 使ったリスト、断り理由のデータ、トーク |
稼働量の感覚をつかむための例として、ある案件では、月100時間の稼働で架電は月2,000件前後を目安にしていました。何件のアポイントが取れるかは、商材と相手によって大きく変わるため、最初から約束はしていません。プランごとの内容は「大手・中堅・ニッチ市場・自治体向けプラン」と「中小企業・店舗向けプラン」で紹介しています。
なぜ最低2か月なのか
営業代行のマッチングサービスの担当者から、初めて営業代行を使う会社は、短い期間、安い金額で契約したい傾向が強く、その分、結果が出にくいケースが多いという話を聞いたことがあります。私たちの実感も同じです。
最初の1か月は、リストの切り口を複数試し、どの相手に反応があるかを比べる期間です。2か月目で、反応のあった切り口に寄せていきます。1か月で終わると、比べた結果を生かす前に契約が終わってしまいます。最初の2か月は、売れる相手を見つけるための期間と考えていただくのが、結果的に一番の近道です。2か月の進め方と見るべき数字は「テストセールス(営業PoC)とは?」で詳しく解説しています。
契約前に委託先に確認したい5つのこと
初めての方は、何を比べればいいのか分からないまま、料金だけで委託先を決めてしまいがちです。契約の前に、次の5つは必ず確認しておきましょう。委託先の比べ方全体は「営業代行の選び方」でも解説しています。
1. 誰が担当するのか
実際に電話をかけるのは誰か、その人はどんな経験があるのかを聞きましょう。営業経験の長さに加えて、自社の商材に近い業界を担当したことがあるかどうかで、最初の反応が出るまでの速さが変わります。スリーグッドでは、その業界の商材を担当した経験のあるメンバーだけを付けています。初めての領域の場合は、その旨を契約前にお伝えします。
2. 通話の品質をどう確認しているか
電話の中身は、委託した側からは見えにくい部分です。通話を録音しているか、ディレクターが聞いて直しているか、メンバーを採用するときにロープレで確かめているかを確認しましょう。スリーグッドでは、こうした運用を品質管理の基準「BtoBQS」としてまとめています。
3. 何を、どのくらいの頻度で報告してくれるか
日次で架電の結果が見られるか、毎週の定例で何を報告してくれるかを確認しましょう。アポイントの件数だけでなく、断られた理由、反応があった相手の共通点、次に何を変えるかまで報告があると、2か月後に社内に残る情報が大きく変わります。
4. 担当者に直接届ける手段があるか
代表番号に電話をすると、多くの場合は受付で止まります。部署の直通番号を調べて担当者に直接届ける手段があるかどうかは、法人向けの新規開拓では大きな差になります。スリーグッドは、20万社・150万件の部署直通番号のデータベースを使い、案件ごとに作ったリストに直通番号を当てています。
5. 契約が終わったとき、何が手元に残るか
契約が終わったあと、使ったリストや断り理由のデータ、トークを受け取れるかを確認しましょう。これがあれば、社内で営業を続けるときにも、別の委託先に切り替えるときにも、ゼロから始めずに済みます。
初めての依頼でよくある3つのつまずき
初めて営業代行を使った会社から、別の委託先への切り替えのご相談をいただくこともあります。お話を聞くと、つまずき方にはいくつかの共通点があります。
1. アポイントの件数の約束だけで選んでしまう
「月に何件のアポイントを取ります」という約束は分かりやすく、初めての方ほど安心材料にしがちです。ただ、件数を守るために相手の条件をゆるめると、アポイントは取れても商談にならない、ということが起きます。件数よりも、どんな相手のアポイントを、どんな会話を経て取るのかを確認しましょう。
2. 任せきりにして、電話の中身を見ない
あるお客様は、スリーグッドとは別の代行会社にも並行して依頼していましたが、稼働から2週間ほどたってもアポイントがなく、どんな電話をしているのかも分からない状態でした。委託先の管理画面には通話の音声記録があるはずなので、見方を聞いて確認してみてください、とお伝えしました。電話の中身は、委託した側が見ようとしない限り見えません。最初の数週間だけでも、録音を何件か聞いておくことをおすすめします。
3. 1か月目の数字だけで判断してしまう
最初の1か月は、複数の切り口を試している途中です。反応の薄い切り口が混ざるのは当然で、1か月目の数字だけで続けるかどうかを決めると、2か月目に反応のある切り口に寄せる前に終わってしまいます。判断は、2か月目の終わりに、どの切り口に反応があったかを見てからでも遅くありません。
最初の2か月で見るべきこと
稼働が始まったら、委託する側も毎週の数字の見方を知っておくと、定例の時間が有意義になります。最初の2か月で見ておきたいのは、次の数字です。
| 数字 | 意味 | 見方 |
|---|---|---|
| 着電率 | 電話をかけた件数のうち、担当者と話せた割合 | 低い場合は、時間帯か、電話の番号(代表か直通か)に原因がある |
| 着電アポ率 | 担当者と話せた件数のうち、アポイントになった割合 | 低い場合は、トークか、相手の選び方に原因がある |
| 断り理由の内訳 | 断られた理由を分類したもの | 「今は不要」が多いのか、「予算がない」が多いのかで、次の打ち手が変わる |
| 反応があった相手の共通点 | アポイントになった会社の業種、規模、状態 | 次のリストを作る条件になる |
スリーグッドの支援例でも、キーマンに接触したあとのアポ率が8.3%から27.8%に上がった案件があります。最初から正解の相手が分かっていることは、ほとんどありません。数字は、毎週の定例で断り理由と会話の中身を見ながら、リストとトークを直していく中で動いていきます。
営業代行を初めて使った会社の事例
営業代行を初めて使う段階から、長く一緒に仕事をしているお客様もいます。
パーソルホールディングス株式会社の新規事業の案件では、新しいプロジェクトが立ち上がるたびに、まず市場にニーズがあるかを確かめる営業をスリーグッドが担当してきました。1つの商材を長く続けているのではなく、新しい商材が出るたびに依頼をいただき、延べ2,000件以上のアポイントを創出しています(支援の詳細)。パーソル様が求めていたのは、戦略を描く上流の支援ではなく、実際に電話をかけて市場の反応を持ち帰る実行部隊でした。
初めて営業代行を使うときも、戦略から作り込む必要はありません。まずは実行を任せ、その中で集まった反応をもとに、売る相手と伝え方を一緒に決めていく。この進め方であれば、社内に営業の専門家がいなくても始められます。
よくある質問
Q1. 営業代行を初めて使うのですが、何から相談すればいいですか
売りたい商材と、これまでどんな相手に売れてきたか(売れていない場合はその状況)をお伝えください。狙う相手の仮説や進め方は、こちらから提案します。
Q2. 1か月だけ試すことはできますか
最低契約期間は2か月です。1か月目で複数の切り口を比べ、2か月目で反応のあった切り口に寄せるため、1か月では比べた結果を生かせません。
Q3. 社内に営業の担当者がいなくても依頼できますか
依頼できます。リスト作成、架電、報告まではスリーグッドで行います。商談は御社で行っていただくか、商談代行を組み合わせることもできます。
Q4. リストはこちらで用意する必要がありますか
不要です。案件ごとに新しくリストを作り、部署の直通番号を当てて架電します。お持ちのリストがあれば、それも活用します。
Q5. 契約が終わったら、何が残りますか
使ったリスト、断り理由のデータ、トークをお渡しします。社内で営業を続ける際にも使っていただけます。
代表・田中からひとこと
営業代行を初めて検討される方の多くは、最初の打ち合わせで「何件アポが取れますか」と聞かれます。お気持ちはよく分かりますが、新しい相手に売り込むとき、最初から件数を正確に見込むことはできません。約束した件数に合わせて相手を広げれば、件数は合っても商談にならない、ということも起きます。
私たちが最初の2か月でお約束しているのは、どの相手に、どんな伝え方をすれば話を聞いてもらえるかを、数字と会話の記録で持ち帰ることです。それが分かれば、件数はその後に積み上がっていきます。
まとめ
営業代行を初めて依頼するときのポイントは、次の3つです。
- 最初の2か月は、売れる相手と伝え方を確かめる期間にする
- 営業資料、受注事例、アプローチしてほしくない会社の一覧を準備しておく
- 契約前に、担当者の経験、通話品質の確認方法、報告の中身、終了時に残るものを確認する
営業代行は、件数を買うサービスではなく、新しい顧客を見つけるための仕組みを借りるサービスです。スリーグッドは、200社以上の新規開拓で積み上げた進め方をもとに、初めての方にも最初のリスト作りから一緒に進めます。まずは今の商材と、狙いたい相手をお聞かせください。
株式会社スリーグッド 代表取締役 田中祐貴
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